研究課題/領域番号 |
22590006
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大塚 英昭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00107385)
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研究分担者 |
松浪 勝義 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70379890)
杉本 幸子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60549012)
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キーワード | subtropical plant / 沖縄 / タイ / モクレイシ / イランイランノキ / モダマ |
研究概要 |
本年度は亜熱帯沖縄産植物、モクレイシ、グミモドキ、イランイランノキに加えてタイ産、マダガスカル産のヒメモダマ、モダマ、ハナチョウジ、トゲバンレイシ等について、多様な成分の検索を行った。モクレイシからはさらに、グミモドキからは多さらに新規骨格を有する変形クロトフォラン型ジテルペンは更に、2,3-dihydroxy-2-ethylbutanoic acidのエステルを単離している。またイランイランノキからはリグナンに変形モノテルペン配糖体が2分子結合した分子量の大きな化合物を単離して、それらは紫外線照射下、蛍光の発光を認めている。キダマからはentagenic acidをアグリコンとするサポニン類を多く単離するとともに、一分子中に酸素、窒素、硫黄の3種のヘテロ元素を含む配糖体が単離された。それらの構造は高分解能質量分析スペクトル、核磁気共鳴スペクトルを詳細に解析して推定した。更に化学変換等を行って、構造の確認、モッシャー変法、円偏光2色性スペクトル、グルコシレーションシフト則を用いて絶対構造の決定に至った。モクレイシから単離されたニトリル基を含む化合物はX-線結晶構造解析によって、絶対構造を含めた構造決定が行われた。ハナチョウジからも新規成分がえられ、それらのNO産生阻害活性についても検討を行った。これらの成果を、学術論文誌発表するとともに、ヒメモダマ、モクレイシ、グミモドキの成分研究については中国瀋陽で開催された国際学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
沖縄、タイ、マダガスカル、フィリピン等より材料を調達し、成分検索を行った結果、多くの植物より新規成分をえている。特にグミモドキからは新規骨格を有する、ジアテルペンを得るとともに、イランイランノキからは蛍光を有する、リグナン配糖体を得るなど、天然物領域の研究としては順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様、新規成分の探索を鋭意行うとともに、今後はそれらの多様な生物活性の検討を行ってゆく。
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