研究課題/領域番号 |
22590008
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
近藤 和弘 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (90277343)
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キーワード | 合成化学 / 触媒 / クラーク数 / アリール化 / シアノシリル化 / ヒドロシリル化 / N-複素環型カルベン / 遷移金属 |
研究概要 |
低クラーク数のロジウム(クラーク数1x10^<-7>)触媒によるアリールボレート塩を用いるアリール化反応をクラーク数の高いニッケル(クラーク数0.01)触媒への置き換えに成功したことを、すでに報告している。上記の芳香族アルデヒドの触媒的アリール化の研究の知見をもとに、以下の反応を行った。 ニッケル-Et-Duphos触媒によるベンジルボレート塩、ビニルボレート塩またはアルキルボレート塩を用いる芳香族アルデヒドの付加反応を検討したが、いずれの場合も目的とする反応は進行しなかった。 また、同触媒によるアリールボレート塩を用いる芳香族ケトンの付加反応を検討したが、目的とする反応は進行しなかった。 更に、同触媒によるアリールボレート塩を用いる芳香族ニトリルの付加反応を検討した。その結果、10%程度の収率であるが、目的の付加体を得ることができた。 次に、クラーク数が小さい金属触媒が主に用いられているアルデヒドおよびケトンのヒドロシリル化反応をクラーク数の高い金属触媒に置き換える検討を行った。種々検討の結果、銅-ニッケル触媒または亜鉛触媒がヒドロシリル化反応に有効であることがわかった。本触媒は、同一分子内にケトン基とホルミル基を有する場合、ホルミル基のみを化学選択的にヒドロシル化する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病気休暇で、研究から数か月間離れたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も高クラーク数元素を触媒用い、水が存在下でも進行するカルボニル付加反応を検討する。トリオールボレート塩では、求核性が低いため、目的とする反応が進行しないものと考えている。よって、水に安定で、より求核性の高い反応剤を探索する。
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