研究課題/領域番号 |
22590010
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
石倉 稔 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (10146011)
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研究分担者 |
山田 康司 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (80272962)
阿部 匠 北海道医療大学, 薬学部, 助教 (80453273)
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キーワード | インドリルボレート / インドールアルカロイド / クロスカップリング / 金属触媒 / ビシクロラクタム / アリール化反応 / セロトニン / 生理活性物質 |
研究概要 |
1)パラジウム触媒を用いるインドリルボレートのクロスカップリング反応の展開を進めており、主としてカルバゾール誘導体の合成を検討した。本年度は、2-ヨードアニリンから容易に誘導できるビニルブロミドとインドリルボレートとのタンデム型クロスカップリングにより高収率で得ることが可能であるトリエンを鍵中間体とすることで抗腫瘍性抗生物質であるcalothrixinA,Bの短工程全合成法の開発を行うことができた。本合成の過程で、銅錯体を触媒とする6π-電子環状反応の開発を行うことができた(Org.Lett.に発表済)。 2)インドリルボレートを中間体とするアルカロイドの合成法として二量体アルカロイドであるyuehchukeneのbiomimetic合成法の開発を行うことができた。インドリルボレートは銅イオンの共存下で、カチオン性求電子試薬と反応を行うことでインドール環3位に選択的に置換基を導入できる。この反応を用いイミニウム塩との反応によるグラミン誘導体の生成を鍵段階とした(第132回薬学会で発表、論文準備中)。 3)ビシクロラクタムであるABHへの触媒的アリール基導入反応を先に報告しているが、本反応により容易に入手可能となったN-phenyl-ABH誘導体を用い、ラジカル環化反応を行うことでcyclopenta[b]indole誘導体を形成できることを明らかとできた。現在、本反応の応用性について検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インドリルボレートを中間体とするインドールアルカロイドの合成に関しては、calothrixins A and B,yuechukeneの合成を完了できた。一方、ABHのアルカロイド合成への応用性に関する検討では進展が少なく、分子内環化反応に関する詳細な検討が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
インドリルボレートを中間体とするインドールアルカロイドの合成では、ピリドカルバゾールアルカロイドの一斉合成法の開発を進める。インドリルボレートの分子内アルキル転移反応によるカルバゾール骨格の構築に成功していることから、本反応を基盤とするアルカロイド合成法の開発について検討を進める。ABHを用いるcyclopenta[b]indole誘導体の合成法の開発について、詳細な検討を加え、その応用性を明らかとする。
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