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2010 年度 実績報告書

縮合多環構造からなるビアリール型化合物の不斉合成法

研究課題

研究課題/領域番号 22590018
研究機関東京薬科大学

研究代表者

松本 隆司  東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (70212222)

キーワード有機化学 / 合成化学 / 生理活性 / 酵素
研究概要

天然には,それ自身でも生理活性をもつ二つの縮合多環芳香族化合物の誘導体がビアリール型に結合した構造をもつ化合物が存在し,重要な生理活性をもつものも多い。本研究は,そのようなビアリール型のホモおよびヘテロ二量体構造の形成によって生じる高次の立体的因子(対称性および疑似対称性,軸不斉とその動的挙動,分子サイズ等)が生理活性にもたらす影響を明らかにし,創薬の基盤となる新知見を得ることを最終目的とし,まずは,その合成化学的基盤を築くことを目指し,それら天然物の全合成研究を行うものである。
22年度の研究では,アントラキノン誘導体とキサントン誘導体がビアリール結合した構造をもつ天然物euxanmodin Bを題材とし,多官能性軸不斉ビフェニルの不斉合成とそれによって得られる光学活性ビフェニル対する環融着を基盤とする合成経路の開発を図った。その結果,この天然物の初の不斉全合成を達成するに至った。
すなわち,まず,当グループで開発している,加水分解酵素を用いた不斉非対称化反応を活用して,光学活性ビフェニル(S)-3-iodo-2,3',6,6'-tetramethoxy-2'-(methoxymethoxy)methyl biphenylを鏡像体過剰率99パーセント以上で合成することに成功した。続いて,このビフェニル化合物の各々のベンゼン環に対して,ベンゾシクロブテン誘導体の環拡大を利用するアントラキノン骨格形成反応および分子内芳香族求核置換反応によるキサントン骨格形成を適用し,鏡像体過剰率を損なうことなく,所望の骨格構造を構築することに成功した。その後,保護基の除去を経て,(-)-euxanmodin Bの全合成を達成した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Enantioselective Total Synthesis of (-)-Euxanmodin B : Axially Chiral Natural Product with Anthraquinone-Xanthone Composite Structure2011

    • 著者名/発表者名
      Takashi Matsumoto
    • 雑誌名

      Chemistry an Asian Journal

      巻: Vol.6(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Euxanmodin Bの全合成2011

    • 著者名/発表者名
      松本隆司
    • 学会等名
      日本薬学会第131春季年会
    • 発表場所
      ツインメッセ静岡(静岡)(震災により口頭発表は中止)
    • 年月日
      2011-03-31
  • [学会発表] 酵素触媒を用いたオルト四置換軸不斉ビフェニルのエナンチオ選択的合成法に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      松本隆司
    • 学会等名
      日本薬学会第131春季年会
    • 発表場所
      ツインメッセ静岡(静岡)(震災により口頭発表は中止)
    • 年月日
      2011-03-31
  • [学会発表] Dermocanarin 2の合成に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      松本隆司
    • 学会等名
      日本薬学会第131春季年会
    • 発表場所
      ツインメッセ静岡(静岡)(震災により口頭発表は中止)
    • 年月日
      2011-03-31
  • [学会発表] Dermocanarin 2の合成研究2011

    • 著者名/発表者名
      松本隆司
    • 学会等名
      日本化学会第91春季年会
    • 発表場所
      神奈川大学(横浜)(震災により口頭発表は中止)
    • 年月日
      2011-03-28

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公開日: 2012-07-19  

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