研究課題
YW3699の合成研究においてこれまで8員環への閉環反応を主として研究してきたが,今年度はA環(5員環)とB環(8員環)の核間に水酸基を有する基質について検討した.基質として,A環部分に二重結合を有する化合物を用いると,閉環反応の収率が極めて低いことが判明した,この理由は,反応点が遠くなるためと考えられる.そこで,これまではエポキシドを用いることで,収率の向上を目指していた.しかしながら,このエポキシドを開環して水酸基とすることも困難であることが明らかになったため,直接水酸基を導入することを試みた.残念ながら,基質の段階でエポキシドを変化させて水酸基とすることも功を奏しなかった.エポキシ化の立体化学の制御が困難であることと,その開環の方向が選択できないことが理由として考えられる.そこで,1,3-ジケトンから,間の炭素を酸化して水酸基を導入する方法を試みたところ,高収率で成功した.そこで,この基質を用いてメタセシスにより閉環反応を試みたところ,収率は30%止まりであったが8員環への閉環反応が進行した.これら生成物の立体化学をNMRにより解析したところ,天然物と同じ相対配置を持っており,望ましい立体化学を有することが明らかになった.そこで,光学活性なカルボンからイソカルボンを合成し,C, D環に相当するエノンを合成した.A環に相当する5員環部分とのカップリングを行えば,より実際の合成に近い化合物が得られるところまで近づけることができた.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Natural Product Communications
巻: vol.8, No.7 ページ: 949-953
http://www.naturalproduct.us/JournalArchive.asp
巻: vol.8, No.7 ページ: 883-887
http://p.bunri-u.ac.jp/lab05/toriref.html