研究課題/領域番号 |
22590030
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
代田 修 徳島文理大学, 香川薬学部, 准教授 (90300920)
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キーワード | 幻覚性植物 / 幻覚性サルビア / Salvia divinorum / サルビノリン / カート / Catha edulis / カチノン / レセプターフィッシング |
研究概要 |
幻覚性植物が含有する多様な化学成分に着目し、その化学構造の多様性解明するための基盤的研究を行うため、本研究を進めている。まず、幻覚性サルビア(Salvia divinorum)が含有する幻覚活性本態であるサルビノリンAに類縁する新規ジテルペン化合物を精査するため、効率的にサルビノリンAを取り除いた分画から分取HPLC等を駆使して新規化合物の単離を試みた。しかし、既に単離した既知化合物が多く、最近、他の研究グループからも論文が出てしまったので、さらなる単離は中止することにした。また、カート(Khat:Catha edulis)に含有される幻覚性物質であるカチノンについて、その類縁体の網羅的合成を開始した。カチノンについては既に合成済みである。そのカチノンを推定生合成中間体とするエフェドリン類についても同様に網羅的合成を進めている。カチノン類縁体及びエフェドリン類の網羅的合成は、ほぼ同様の手法で達成できる。さらに、生合成中間体の取り込み実験等に用いるコンパクトで反応性が高い光親和性ラベル化試薬の合成を、昨年度に引き続いて進めた。この合成は最後の2ステップまで来ているが、このステップにおいて足踏み状態にある。そして、光親和性ラベル化手法でラベル化された生合成酵素を釣り上げる新規な「レセプターフィッシング」手法の開発のため、ライゲーション反応基を有した光解離性レセプターフィッシングロッド(レセプターの釣り竿)の合成についても進めている。この合成はほぼ最終段階に来ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
幻覚性サルビア(Salvia divinorum)が含有する幻覚活性本態であるサルビノリンAに類縁する新規ジテルペン化合物を精査してみたが、最近論文報告された化合物などが見つかり、新規化合物を見つけることが困難に思われた。また、思いの外、「レセプターフィッシング」手法の開発に必要な新規ラベル化試薬の合成に手間が掛かっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は「レセプターフィッシング」手法の開発とカチノン誘導体の合成に力を傾けることにする。
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