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2011 年度 実績報告書

イミノ糖によるタンパク質プロセッシングの制御と作用メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22590059
研究機関富山大学

研究代表者

足立 伊左雄  富山大学, 大学病院, 教授 (30151070)

研究分担者 高畑 廣紀  東北薬科大学, 薬学部, 教授 (00109109)
加藤 敦  富山大学, 大学病院, 准教授 (60303236)
キーワードイミノ糖 / グリコシダーゼ / 光学異性体 / リソソーム病 / シャペロン
研究概要

本研究課題では、従来までのD型イミノ糖だけでなくL型イミノ糖の有用性を見いだし、医薬品応用の可能性を模索することを目的としている。今年度は、合成例が乏しく、また阻害予測が非常に難しいアゼチジン型イミノ糖の生理活性に着目し、D型およびL型イミノ糖の酵素への阻害活性を中心に検討を行った。まず最初にD-およびL-リボースから1,3-dideoxy-1,3-imino-L-xylitolおよび1,3-dideoxy-1,3-imino-D-xylitolの両エナンチオマーを導いた。さらに構造活性相関を検討する目的でazet-DABおよびazet-LABの両エナンチオマーをD-およびレアラビノースから導いた。これら4種のアゼチジン型イミノ糖の各種グリコシダーゼに対する阻害活性を検討したところ、1,3-dideoxy-1,3-imino-L-xylitolは、A,nigerおよびRhizopus sp. 由来アミログルコシダーゼに対して、それぞれIC_<50>値が414μMおよび25μMの阻害を示す選択的な阻害剤であった。一方、1,3-dideoxy-1,3-imino-D-xylitolは、アミログルコシダーゼをはじめ全てのグリコシダーゼに対し全く阻害を示さなかった。azet-LABは、A,niger由来α-グルコシダーゼ、ラット小腸由来ラクターゼおよびRhizopus sp. 由来アミログルコシダーゼに対してそれぞれIC50値が39μM、70μMおよび19μMと比較的強い阻害を示した。azet-DABでは、阻害活性が低下する傾向が認められたが、逆にα-マンノシダーゼに対して唯一阻害を示した。本研究から、これまで生理活性の報告がほとんどなかったアゼチジン型イミノ糖においても、取り得る立体配置により種々のグリコシダーゼに対する阻害を制御できる可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基質であるピラノース構造を忠実に擬態し、比較的容易に酵素阻害スペクトルが予測できるピペリジン型イミノ糖だけでなく、阻害予測が非常に難しいアゼチジン型イミノ糖においても、取り得る立体配置により種々のグリコシダーゼに対する阻害を制御できる可能性を示した。さらにアゼチジン型イミノ糖では、D型よりもL型の活性が強いことを初めて見いだした。従って本研究の課題であるL型イミノ糖の有用性を見いだすという点でも、計画はおおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

今年度の研究成果から、これまで生理活性の報告がほとんどなかったアゼチジン型イミノ糖においても、取り得る立体配置により種々のグリコシダーゼに対する阻害を制御できる可能性が示された。今後、これら活性データをもとに更に選択的かつ強力なグリコシダーゼ阻害を示すアゼチジン型イミノ糖を修飾・デザインしていく予定である。また、アゼチジン型イミノ糖に続きピロリチジン型イミノ糖についても化合物デザインを行い、より明確にL型イミノ糖の有用性を探っていきたいと考えている。

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公開日: 2013-06-26  

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