研究課題
現在、イミノ糖をベースとした医薬品開発が盛んに行われているものの、その多くはピペリジン型イミノ糖であり、アゼチジン型イミノ糖の合成及び生物活性に関する知見は非常に少ない。一方で、N-アルキルヒドロキシアゼチジンがpurine nucleoside phosphorylaseに対し、nMオーダーの強力な阻害を示すことも報告されており、医薬品素材としての可能性は高いと考えられる。新たな活性を持つアゼチジン型イミノ糖のデザインを目的として6,7-diepicastanospermineのアゼチジンアナログであるtetrahydroxyconidineをL-arabinoseを出発原料として合成した。今回合成したtetrahydroxyconidineは、Rhizopus sp由来amyloglucosidaseおよびラット小腸lactaseに対し、IC50値が532および418μMの阻害を示した。Tetrahydroxyconidineは、構造的にピペリジン型イミノ糖であるaltro-DNJとアゼチジン型イミノ糖であるazet-LABの両者が結合した二環性のアミンと見なすことができる。そこで、これらとの活性を比較したところ、azet-LABは、A, niger由来α-glucosidase、ラット小腸由来lactaseおよびRhizopus sp由来amyloglucosidaseに対し、IC50値がそれぞれ39、70および19μMの阻害を示した。対照的にaltro-DNJは、これら酵素に対して全く阻害を示さないもののbovine kidney由来α-L-fucosidaseを阻害した(IC50値=194μM)。以上に結果から、今回新たにデザインしたアゼチジンアナログであるtetrahydroxyconidineは、従来までの単環性イミノ糖とは異なるスペクトルを持つ事が示された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)
Heterocycles
巻: 84 (2) ページ: 929-944
10.3987/COM-11-S(P)74
巻: 86 (2) ページ: 1401-1417
10.3987/COM-12-S(N)99
Org. Lett.
巻: 14 (16) ページ: 4174-4177
10.1021/ol301844n
J. Med. Chem.
巻: 55 (23) ページ: 10347-10362
10.1021/jm301304e