研究課題/領域番号 |
22590061
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
荒木 聡彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80242808)
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研究分担者 |
澤田 均 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60158946)
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キーワード | 血管内皮細胞 / ヘビ毒素 / プロテアーゼ / 細胞死 |
研究概要 |
本年度は、ADAM型出血毒素による血管内皮細胞作用における信号伝達を担う脂質分子の特定をすることと、形態変化と脂質分子代謝の関係を明らかにすることを行った。 まず細胞死における細胞の断片化における形態変化について、脂質分子の特定においては、脂質代謝酵素の阻害剤を用いた実験から、形態変化の誘導(細胞の断片化)を模倣する阻害剤の探索に成功した。 次に、これらの脂質代謝阻害剤から信号分子を推定し、その信号分子の抗体を用いて、蛍光顕微鏡による分布の変化と、ウエスタンブロットによる量的変化を調べた。 蛍光顕微鏡による信号分子の抗体染色観察では、細胞断片化と信号分子の分布の変化が一致した。このことと、阻害剤による実験から、この信号分子が細胞断片化の原因分子であることが示唆された。また、細胞を溶解してウエスタンブロットで信号分子の量の変化を見た場合も細胞断片化と一致した。 また、他の形態変化においても、この分子の変化が示唆された。 細胞断片化における責任信号伝達分子が見出されたことから、今後、さらにこの脂質信号伝達分子の詳細な分子種と、その責任酵素の分子種の特定に実験を進めて行く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
形態変化を制御している信号分子が見出され、その阻害実験による確認と分布変化の一致も見出されたことから、順調に解明に向けて進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
責任信号伝達分子が特定されたことから、その責任酵素の遺伝子種の特定に進む予定である。また信号伝達分子の分子構造範囲についても解析を進める。このことから、血管内皮細胞の大規模な形態変化の制御機構を明らかにしていく。
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