大動脈瘤患者血清を用いてのテネイシンX(TNX)の酵素免疫測定(ELISA)法の開発と、血管疾患の病変組織及び患者血清の網羅的発現差異プロテオミクス解析を行った。その結果、近傍正常組織と比較して石灰化大動脈弁(CAV)組織において、TNXが最も発現減少する蛋白質であることが明らかとなった。また、近傍正常組織に比べての腹部大動脈瘤(AAA)組織や胸部大動脈瘤(TAA)組織における各蛋白質の発現差異蛋白質の解析により、AAA病変組織とTAA病変組織の両方において発現変動蛋白質として同定された121個の蛋白質の内、テネイシンC(TNC)を含む58個の蛋白質の発現パターンがAAA病変組織とTAA病変組織間で有意に異なることが明らかとなった。
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