研究概要 |
本研究課題初年度である平成22年度は、「腸内顆粒の形成・成熟の異常を検出する効率的なスクリーニング条件の設定」を中心に検討した。[連携研究者岩手医大・薬学部白石博久丹治貴博錦織健児]アッセイに用いる材料として、通常の野性型線虫N2に加え、腸内非酸性顆粒に局在する膜タンパクを蛍光タンパクの融合により標識したLMP-1::mRFP、HAF-9::GFPを導入した線虫を準備した。これらの線虫に対して、その欠損が非酸性顆粒を消失させる遺伝子lmp-1,half-90のRNAi用大腸菌株と、消失させない遺伝子haf-2のRNAi用大腸菌株とを、線虫RNAiライブラリーより選び、feeding法による遺伝子抑制効果を調べた。顆粒消失を判断するためのコントロールとしては、既に単離しているlmp-1,haf-9,haf-2欠損変異体線虫を用いた。その結果、変異体から予想した通りのRNAiの効果がfeeding法によっても得られた。また、実際に検討した遺伝子lmp-1やhaf-9の発現抑制も、LMP-1::mRFP、HAF-9::GFPの蛍光の消失から確認できた。 更にこれらの材料を用いて、大量スクリーニングに適した諸条件(RNAi feeding用大腸菌の菌濃度とタイミング、RNAi feeding処理を施した線虫の飼育温度、観察時期、顕微鏡と併用したデジタルマイクロスコープによる観察方法、スクリーニング1トライアルに必要なタイムスケジュールと線虫継代サイクル)を決定した。
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