カルジオリピン(CL)はミトコンドリア内膜に局在する酸性膜リン脂質である。ミトコンドリアの種々の膜タンパク質と相互作用することにより、それらの構造や活性の維持に寄与することが知られている。本研究では、線虫C. elegansをモデル生物として用い、CLが線虫の生殖細胞の増殖やミトコンドリアの機能維持に必要であること、一方で体細胞の増殖やミトコンドリアにはCLは必須ではないことを明らかにした。本研究はCL欠損に対するミトコンドリアの感受性が組織や細胞ごとに異なることを、個体レベルで初めて明らかにした。
|