研究課題
研究概要:我々のこれまでの研究から、水素分子の作用は、単にヒドロキシルラジカル消去剤としての抗酸化作用だけではなく、持続性の神経保護作用を持つことが示唆された。水素分子は吸引よりも飲用水中の方が効果的であることが示されており、消化官を介する作用が示唆されたことから、胃腸から分泌される消化管ホルモンの関与が考えられる。そこで、水素分子による神経保護の作用メカニズムを分子レベル・遺伝子レベルで明らかにする上で、消化官ホルモンの関与を明らかにすることが本研究の目的である。研究結果:神経保護作用がすでに報告されている消化管ホルモン・グレリンの関与を証明するため、グレリン受容体阻害剤を水素水飲用と同時に投与し、水素水による神経保護作用が消失するかどうかを検討した。その結果、水素飽和水を7-10日間飲用したマウスでは、神経疾患モデルの一つであるMPTPパーキンソン病モデルマウスにおいて、以前の結果同様、黒質・線条体において顕著なドパミン神経細胞・神経線維の脱落抑制が見られたものの、グレリン受容体投与群では、水素水飲用にも関わらず、MPTPによるドパミン神経細胞・神経線維の脱落が見られた。このことから、水素水飲用によって、主に胃からのグレリン産生が亢進することが示唆された。水素水飲用によるグレリン産生の分子メカニズムを解明する必要があるが、これらの結果は、水素水の慢性摂取により、全く新規の神経保護メカニズムが関与することを示唆し、水素による予防医学の解明に大いに貢献することが期待される。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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