研究課題/領域番号 |
22590087
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
田口 恭治 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (70171593)
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キーワード | ギラン・バレー症候群 / mouse monoclonal IgG抗GM1抗体 / 抗ガングリオシド抗体 / 自発性筋活動電位 / 電位依存性カルシウムチャネル / ω-agatoxinIVA / ω-conotoxin GVIA / nicardipine |
研究概要 |
本研究では、mouse monoclonal IgG抗GM1抗体(anti-GM1 mAbs)の神経伝達機構に対する影響をP型の電位依存性カルシウムチャネル(VGCCs)電流と自発性筋活動電位(MAP)で検討した。 (1)P型の電位依存性カルシウムチャネル(VGCCs)電流に対する影響 小脳Purkinje細胞のP型のVGCCs電流を測定した結果、-40mVから活性化し、0mVでピークとなるP型VGCCs電流が観察された。このとき、Externalsolution中にanti-GM1 mAbs(1:100)を投与し、P型VGCCsに対するGBS患者血清の影響を検討した。VGCCs電流はanti-GM1 mAbs(1:200)投与により、31.2%まで抑制された。これに対して、anti-GM1 mAbs(1:200)の投与で変化は見られなかった。 Anti-GM1 mAbのCa2+ channelへの作用を検討するために、培養神経・筋接合部にCa2+ channel blockerを前投与し、anti-GM1 mAbが自発性筋活動電位に及ぼす影響について検討した。 (2)自発性筋活動電位(融P)に対するカルシウムチャネル拮抗薬の影響 P/Q-type Ca2+型、N-type Ca2+型、L-type Ca2+型カルシウムチャネル拮抗薬であるω-agatoxinIVA、ω-conotoxin GVIA、nicardipineを前投与したMAPに対してanti-GM1 mAb(1:100)を投与したところ,anti-GM1 mAbの抑制作用は認められなかった。 以上の結果から、anti-GM1 mAbsの神経伝達抑制作用は電位依存性カルシウムチャネルを介して、運動麻痺に関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度、IgG抗GM1抗体を用いて自発筋活動電位の検討、神経・筋接合部の免疫組織染色を行い、さらに抗GalNAcGD1a抗体との比較検討して日本薬学会第132年会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度はガングリオシド合成酵素GM2 synthaseのsenseo ligodeoxynucleotidesとantisense oligodeoxynucleotidesのアンチセンスとミスセンスオリゴヌクレオチドを用いて自発筋活動電位の影響を検討する。
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