研究概要 |
和漢薬“牛蒡子”のエキスの成分を精査し,アルクチイン及びアルクチゲニンの他に,chlorogenic acid, 4,5-dicaffeoylquinic acid, 3,5-dicaffeoylquinic acid, 3,4-dicaffeoylquinic acid, matairesinol, isolappaol A, lappaol F, lappaol B 及び isolappaol C と lappaol C の 1:1 混合物,arctignan D と arctignan E の 1:1 混合物,isolappaol A と lappaol A の 1:1 混合物を単離した。これらの化合物の栄養飢餓耐性解除活性を,富栄養培地では(DMEM培地)では細胞毒性を示さず,栄養欠乏培地(NDM培地)でのみ示される細胞毒性で評価した。その結果,アルクチゲニン,matairesinol, lappaol B が PC50 値で 1.75 μM, 31.1 μM, 30.9 μM の栄養飢餓耐性解除活性を示す事が明らかになった。更に,これらの活性及びこれまでに得られた化合物の活性値と構造を比較する事で,1) γ-ブチロラクトン環,2) γ-ブチロラクトン環2位の 3-hydroxy-4-methoxyphenyl 基,3) γ-ブチロラクトン環3位の低極性置換基,が活性発現にとって重要である事を明らかにした。
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