Diethylenetriaminepentaacetic acid(DTPA)の炭素骨格部にallyl基を導入できる画期的な簡便手法の最適化(63%の単離化学収率と93%の化学選択性)と、大量合成可能となったmono-C-allyl化DTPAの末端オレフィン部分を伸張しBocで保護したアミノ基を有する誘導体の合成を平成22年度に達成した。平成23年度はDTPAに限定されない鍵反応の一般性を示し、同時にヒドロキシアミン末端、カルボン酸末端、マレインイミド末端などを有するバリエーション化を進め、コレスタノール・ウラシル・ポルフィリン・カンプトテシンなどとの化学連結に成功し、生成物の緩和時間をMRI装置によって測定した。 平成24年度は、カンプトテシンとDTPAのconjugate体を選んで、大量合成を実行し、1~2gの最終生成物を製造出来た。健常マウスに対しての投与実験を行い、MRIの撮像を行った。同時にmono-C-allyl化DTPAの更なる大量合成を検討し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを必要としない工程を検討した。多数の試行錯誤の結果、DTPAのカルボン酸5つを保護しているエチル基をベンジル基に変更し、対イオン用に4-トルエンスルホン酸を用いる事で、結晶が得られる事を見出した。
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