研究課題
肺炎球菌莢膜糖鎖ワクチン(PneumoVax23)の投与を受けた被験者においては、IgM陽性記憶B細胞集団中に、投与された糖鎖を特異的に認識する抗体を産生するB細胞クローンが誘導され、その抗体が細菌への免疫応答に重要な役割を担うことが推測されている。そこで、マウスへの糖鎖ワクチン投与によって(1)免疫記憶成立が起こっているか?(2)誘導される抗体が肺炎球菌の感染予防として機能しうる抗体であるか?の疑問点の解明を目的とし本研究を計画した。<Pneumococcal polysaccharides(PPS)の投与方法による相違の検討> PPSを0.5μg/miceにて腹腔内投与し、血中の抗体価の経時変化(7日、14日、21日)をELISA法にて測定した。さらに抗体産生細胞数をELISPOT法にて測定した。主にIgMの抗体価の上昇を解析した。<抗PPS抗体のBCR遺伝子を単独産生する遺伝戸改変マウスの作製> in vivoでのPPS特異的B細胞の分化成熟の解析のために、これら抗PPS抗体のBCR遺伝子を単独産生する遺伝子改変マウスの作製を計画した。これまでに、PPSを腹腔内投与後、3日目の脾臓から、ハイブリドーマ法により得られた抗体産生細胞4クローンより、抗体遺伝子cDNAをクローニングした。軽鎖については、3クローンはラムダ鎖であり、1クローンはカッパー鎖であったので、カッパー鎖(Vkgj38c-Jk1)トランスジェニックマウスを作製し、安定発現系統を繁殖中である。重鎖については、2種類の重鎖(Vh2-9-1DPS2.x-Jh1)、(Vh10.2b-DELi6.2-Jh2)をJh遺伝子座にノックインするためのターゲティングベクターを作製した。
すべて 2010
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Journal of Biological Chemistry
巻: 285(25) ページ: 19193-19204