研究課題
ヒト線維芽細胞、及びヒトマクロファージに結核菌を3日間感染後、培養上清を各種カラムで分画し、細胞傷害活性を持つ画分を絞り込んできた。この画分は結核菌に対して抗菌的に働くことも明かにした。本因子は、インターロイキン1と相乗的に働いて結核菌の細胞傷害活性を引き起こすが示唆された。結核症のワクチンであるBCGの有効期間はおよそ15~20年とされているが、使用したBCG株の違いや接種方法、地域差、対象年齢の違いなど多くの問題があるとされている。実験的にマウスを用いて加齢に伴うBCGの有効期間の検証を行ったところ、ヒト年齢換算およそ20~30歳代になると免疫が落ちてくること(Vaccine, 2011)、そして、免疫低下時にブースターとしてCpGオリゴマーが有効であることが示された(投稿中)。当研究室では、以前に抗結核活性を持つジチオカーバメート糖誘導体を複数見出し、報告している(Bioorg Med Chem Lett.,2007, 2009, 2011)。当該化合物の活性本態であるジチオカーバメート類の中には抗酒癖薬として用いられているdisulfram(DSF)も含まれる。当研究室では、DSFとその代謝物であるdimethyldithiocarbamate(DDC)に多剤耐性菌に対して直接抗菌活性があること、及び、結核菌感染モデルマウスにおいて、DSF経口投与により抗菌活性が認められた。DSFは抗酒薬として利用されており、臨床への応用が期待される結果を得た(Antimicro. Agents Chemother., 2012)
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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