主にグリセオフルビン誘発ポルフィリン症モデル動物を用いて、行動と体温の概日リズムについて精査し、ヘム代謝異常におけるリズム位相の前進とヘム投与による可逆性について明らかにしたことについて、Am.J.Physiol.誌に受理され、公開された。ヘム代謝異常モデル動物を用いた概日リズム研究では、概日リズム位相の前進や恒暗条件で概日リズム周期の短縮が動物個体レベルの検討で見出しており、この制御機構の詳細については、細胞レベルの検討、遺伝子改変動物を用いた検討など、さらなる研究展開が必要である。ヘム代謝異常モデル動物において薬物感受性の違いを見出した知見から、アルコール依存症モデル動物における病態モデルの作製と薬物の影響を検討し、依存症成立条件の設定、アルコール耐性現象(アルコール体内動態、体温変動)、アルコール離脱症状の発現(不安様症状、胃けいれん性)を定量評価する方法を確立した。さらには、いくつかの薬物が、これら依存症に関係する症状を予防若しくは治療することを見出しており、本研究から派生した取組の中に、今後の展開が大きく期待できる。
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