研究課題
"生活習慣病の予防・治療におけるプロバイオティクスの臨床的意義”を明確にする事に主眼を置き、研究を遂行している。本年度は、以下の2点について検討を行った。1.消化管でのコレステロール取り込み制御機構の解明ヒト小腸モデルとして3週間培養したCaco-2細胞、プロバイオティクスとして、その整腸作用により“特定保健用食品”として市販されているBifidobacterium属の菌種を用いた。Caco-2細胞に市販菌種の培養液および培養ろ液の暴露し、[14C]コレステロールミセル添加後のコレステロール吸収量と細胞内コレステロールエステル合成量を測定した。その結果、培養液および培養ろ液、いずれの暴露においても、コレステロールの細胞内取り込み量およびコレステロールエステル合成量が有意に抑制された。また、本菌種の刺激により、Caco-2細胞内で合成され、コレステロールの細胞内取り込みおよびエステル化を抑制する物質を見出すことが出来た。2.脂質異常症治療薬とプロバイオティクスの相互作用試験液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS/MS)を用いて、生体試料中の脂質異常症治療薬およびその活性代謝物の定量法の確立を行った。また、健康被験者を対象に、脂質異常症治療薬の薬物動態および薬物動態関連遺伝子の発現に対するプロバイオティクス併用の影響について評価する為に、臨床試験の計画・実施の準備を行い、研究倫理委員会への申請を検討中である。
3: やや遅れている
脂質異常症治療薬とプロバイオティクスとの相互作用試験の実地が遅れている。(臨床試験の被験者の募集を行っているが、予定被験者数を集めるのに苦慮している。)
研究倫理委員会の承認が下り、目標被験者数が集まり次第、臨床試験を実施する予定である。
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Jpn. J. Clin. Pharmacol. Ther.
巻: 44 ページ: 301-305
巻: 44 ページ: 185-192