研究課題
パーキンソン病神経毒であるMPTPを用いたマウスパーキンソン病モデルにおいて、メロキシカムがドパミン神経細胞死抑制作用とリン酸化Akt減少の抑制作用を有し、行動薬理学的にもポールテストで有意に改善していることを見出し、その再現性を確認した。本研究成果は、Neuroscience letters誌 521, 15-19 (2012)に、'Meloxicam ameliorates motor dysfunction and dopaminergic neurodegeneration by maintaining Akt-signaling in a mouse Parkinson's disease model.’として報告した。他のオキシカム系のNSAIDsについても検討を行ったが、今のところ十分な結果は得られていない。また、オキシカム系NSAIDsによる細胞死抑制作用が、どのような細胞内シグナル伝達により作用発現しているかについても検討した。ドパミン神経線維芽細胞のSH-SY5Yを用いて細胞死抑制に関与するBcl-2ファミリーの分子の中で、Mcl-1の減少がMPP+による細胞死と関連していることを見出した。他のリン酸化Bcl-2やBAXなどに変化はなかった。またsiRNAを用いてMcl-1をノックダウンすると、MPP+による神経細胞死は増強し、メロキシカムによる神経細胞死抑制作用は減弱した。以上のことから、このパーキンソン病に関連した神経細胞死とメロキシカムによる細胞死抑制作用はMcl-1を介していることが明らかとなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Neurosci Lett
巻: 521 ページ: 15-19
doi:10.1016/j.neulet.2012.05.045.