研究課題
本研究では、日本人で高頻度に存在するビタミンKエポキシドレダクターゼ(VKORC1)遺伝子多型と発がんの関連を解析し、ビタミンK補充による効果的な発がん予防およびがん化学療法の補助的な利用法の確立を目的とする。本研究は、iPS細胞およびES細胞の安定した維持が重要である。既に十分な予備検討を行っているが、細胞の培養に関する技術および知見は日々進化・蓄積されており、本研究分野の最新の事情に合わせた細胞系およびアッセイ系を検討している。人工多能性幹細胞は、体を作るあらゆる細胞に分化可能であり、増殖力に優れていることから、医薬品開発のための安定した細胞供給源として期待される。分化させた細胞のmRNA解析により、肝細胞マーカー、CYP1A1などの薬物代謝酵素及びCYP3A4の誘導に関与する核内受容体や転写因子の発現が認められた。しかし、胎児肝細胞に発現しているα-fetoproteinが高発現していることや、CYP3A4の誘導が弱いことなどから、まだ未成熟な肝細胞の性質を有していることが示唆された。本研究では、より成熟した肝細胞を効率よく分化する方法について、さらに検討していく必要があるものと考えられた。遺伝子多型解析については現在PCR-RFLP法やダイレクトシークエンス法などが汎用されているが、本研究では遺伝子多型高感度迅速判定法(SMAP法やQ-probe法)が有効であるかについても検討し、解析の効率化・臨床応用の実現を検討し、報告した。また、大腸菌やサルモネラ菌による遺伝子変異発現実験では、CYPおよびNADPH-P450還元酵素の発現で既に高効率な方法を確立している。pCWベクターおよび大腸菌DH5αF'IQ株を用いることにより、大量スクリーニングが可能な変異原判定系を用いて更に検討する予定である。
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