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2011 年度 実績報告書

スペシャル・ポピュレーションに対する抗がん剤の至適投与量・用量調節指標の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22590142
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

今村 知世  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00570954)

研究分担者 谷川原 祐介  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
平沢 晃  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90296658)
キーワード癌 / 薬学 / 臨床 / オーダーメイド医療 / PK/PD解析 / スペシャル・ポピュレーション
研究概要

スペシャル・ポピュレーション(special populations)とは薬物動態(pharmacokinetics:PK)および薬物感受性(pharmacodynamics:PD)が一搬の患者集団とは異なることが予想される腎機能低下者、肝機能低下者、高齢者、小児、妊婦、授乳婦、肥満者などのことで、わが国の医薬品開発ならびに臨床薬理の領域では「特殊集団」または「特別な背景を有する患者」と訳されている。スペシャル・ポピュレーションに対する薬物療法においては、薬剤の特性に応じて投与量の調節を考慮する必要があるが、がん薬物療法においては各がん種に対しエビデンスに基づく標準治療が存在するため、個々の患者への用量調節すなわち匙加減はエビデンスからの乖離を意味し、治療の有効確率および安全性担保を不確実なものとしてしまう。そこで本研究では、肺がん患者を対象とした臨床試験において抗がん剤の血中濃度を測定し、PK/PD解析により、スペシャル・ポピュレーションに対する抗がん剤の至適投与量・用量調節指標の探索を行う。
1.ドセタキセル・カルボプラチン併用療法試験
ドセタキセルの血漿中濃度およびカルボプラチン投与後の白金濃度結果に基づき、母集団解析法によりPK/PD解析を行い、「CYP3A5遺伝子多型」「年齢」「腎機能」「肝機能」などの因子がPK、PD(副作用)に及ぼす影響について検討した。
2.エルロチニブ療法試験
血中濃度に及ぼす年齢の影響を明らかにすることを目的に、高齢者(65歳以上)および非高齢者(65歳未満)を対象とした臨床試験において血漿中エルロチニブ濃度測定のためのLC/MS/MS法による定量法を確立した。なお本行程では、過去の報告(Haouala et a1,J Chromatogr B 877,2009)を参考に当研究室保有の装置で定量法を再現し、一部変更を加えた上で米国FDAのGuidance for Industly;Bioanalytical Method validation (2001)にしたがったバリデーションを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

エルロチニブ療法試験の進捗状況が、予定より遅れているため。

今後の研究の推進方策

「ドセタキセル・カルボプラチン併用療法試験」では、PK/PD解析結果をもとに、年齢、腎機能、肝機能に応じたスペシャル・ポピュレーションへの至適投与量について論文化し発表する。また「エルロチニブ療法試験」では、血漿中エルロチニブ濃度測定に向け、採取された血液の前処理(遠心分離、必要に応じて限外濾過)を行い、症例登録終了ならびに観察期間終了時のPK/PD解析に備える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] スペシャル・ポピュレーションに対する用量調節2011

    • 著者名/発表者名
      今村知世
    • 学会等名
      第49回日本癌治療学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-28
  • [学会発表] 肝機能低下患者に対する抗がん薬の用量調節2011

    • 著者名/発表者名
      今村知世
    • 学会等名
      第9回日本臨床腫瘍学会学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-07-23

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公開日: 2013-06-26  

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