研究概要 |
平成24年度においては、平成22、23年度に得られた成果を基に以下の実験を行い、下記1~4の結果を得た。 1. ラット脳マイクロダイアリシスを行い、D-およびL-トリプトファンを腹腔内投与した結果、D-およびL-トリプトファンともに脳へ移行し、NMDA受容体アンタゴニストであるキヌレン酸を生成することを明らかとした。 2. 平成22年度に開発したHPLC法の検出手段を質量分析計(MS)に改良したHPLC-MS法を開発した。この方法により、ヒト血清中のL-トリプトファン(L-Trp)、L-キヌレニン(L-KYN)の定量を行った。その結果、L-Trp濃度とL-KYN濃度は、正の相関を示し、また、L-キヌレニン濃度が、年齢に逆相関することを見出した。 3. 平成22,23年度では、D-キヌレニンを基質として、生成したKYNAの蛍光を指標とする、様々な化合物の新規DAAO活性阻害評価法の開発を行ったが、この方法を応用し、ラット脳組織中のDAAO活性の測定法を開発した。この方法でケタミン処置ラット脳各部位のDAAO活性を評価した結果、有意な差は見られなかった。 4. DAAOmRNA定量のためのリアルタイムPCR法の最適化条件を検討し、従来法に比べて精度の高い定量法を開発した。
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