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2012 年度 研究成果報告書

老化を基礎とする疾患の発症・進展の予防を目的とした薬物の脳内移行特性の解明と応用

研究課題

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研究課題/領域番号 22590149
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 医療系薬学
研究機関日本大学

研究代表者

鈴木 豊史  日本大学, 薬学部, 准教授 (20267115)

研究分担者 深水 啓朗  日本大学, 薬学部, 准教授 (20366628)
研究期間 (年度) 2010 – 2012
キーワードアルツハイマー病 / パーキンソン病 / 脳内移行性 / アンチエイジング
研究概要

本研究は,老化を基礎とする疾患の発症や進展の予防を目的として,いくつかの薬物の脳内移行性を特徴付けた.(1)ウシ脳毛細血管内皮細胞へのクルクミンの浸透は,HPLC-UV法において検出限界のため測定できなかった.(2)ウシ脳毛細血管内皮細胞へ[3^H]フルバスタチンの輸送には,担体介在機構が関与していることがわかった.(3)ラット脳毛細血管内皮細胞へ[3^H]アマンタジンの輸送には,何らかの有機カチオンに感受性のある輸送システムが関与していることがわかった.アマンタジンをラット大脳内微量注入60分後に約50%が比較的緩やかに消失していることがわかった.(4)パーキンソン病態においてはレボドパのトランスポーター介在輸送効率がわずかながら減少することが示唆された.ヒト脳毛細血管内皮細胞ならびにマウス脳灌流技術を用いた実験から,(5)マジンドールの脳内取り込みに単純拡散機構とP-糖タンパク質の関与すること,(6)アマンタジンの血液脳関門輸送にP-糖タンパク質の影響がないことをそれぞれ明らかにした.(7)74歳以下と75歳以上の群,男性と女性の群,および薬物の総服用量が8g以上(8-96g)の群で,スルファメトキサゾール-トリメトプリム配合剤(SMX-TMP合剤)投与後に血清クレアチニン(SCr)の有意な上昇が認められた(P<0.05).8g以上(平均29.8g)の総服用量の群で18.4%のSCrの有意な上昇が認められた(P=0.002)が,7g以下(平均5.3g)の群ではわずか4.5%の上昇であった.これらの結果より,投与期間の総服用量が約30g(トリメトプリムとして約2.4g)のとき,SCrは20%程度まで上昇する傾向が明らかになり,本剤投与後のSCrの上昇には,年齢や性別の因子よりも総服用量が主に影響を及ぼすと考えられた.本研究は,老化を基礎とする疾患の発症や進展の予防を目的として,いくつかの薬物の脳内移行性を特徴付けた.(1)ウシ脳毛細血管内皮細胞へのクルクミンの浸透は,HPLC-UV法において検出限界のため測定できなかった.(2)ウシ脳毛細血管内皮細胞へ[3^H]フルバスタチンの輸送には,担体介在機構が関与していることがわかった.(3)ラット脳毛細血管内皮細胞へ[3^H]アマンタジンの輸送には,何らかの有機カチオンに感受性のある輸送システムが関与していることがわかった.アマンタジンをラット大脳内微量注入60分後に約50%が比較的緩やかに消失していることがわかった.(4)パーキンソン病態においてはレボドパのトランスポーター介在輸送効率がわずかながら減少することが示唆された.ヒト脳毛細血管内皮細胞ならびにマウス脳灌流技術を用いた実験から,(5)マジンドールの脳内取り込みに単純拡散機構とP-糖タンパク質の関与すること,(6)アマンタジンの血液脳関門輸送にP-糖タンパク質の影響がないことをそれぞれ明らかにした.(7)74歳以下と75歳以上の群,男性と女性の群,および薬物の総服用量が8g以上(8-96g)の群で,スルファメトキサゾール-トリメトプリム配合剤(SMX-TMP合剤)投与後に血清クレアチニン(SCr)の有意な上昇が認められた(P<0.05).8g以上(平均29.8g)の総服用量の群で18.4%のSCrの有意な上昇が認められた(P=0.002)が,7g以下(平均5.3g)の群ではわずか4.5%の上昇であった.これらの結果より,投与期間の総服用量が約30g(トリメトプリムとして約2.4g)のとき,SCrは20%程度まで上昇する傾向が明らかになり,本剤投与後のSCrの上昇には,年齢や性別の因子よりも総服用量が主に影響を及ぼすと考えられた.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] スルファメトキサゾール/トリメトプリム配合剤の投与による血清クレアチニンの上昇とその要因:正常な腎機能を有する日本人患者を対象とした遡及的解析2013

    • 著者名/発表者名
      宗村盛,鈴木豊史,高野賢児,島田侯陛,井上真由美,川井龍美,深水啓朗,伴野和夫
    • 雑誌名

      薬学雑誌

      巻: 133 ページ: 587-595

    • DOI

      DOI:10.1248/yakushi.12-00273

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中枢神経系薬の創薬開発における血液脳関門透過の重要性2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木豊史
    • 雑誌名

      ファルマシア

      巻: 48 ページ: 761-766

    • URL

      http://ci.nii.ac.jp/naid/10030986531

  • [雑誌論文] オピオイド鎮痛薬の血液脳関門輸送2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木豊史
    • 雑誌名

      薬学雑誌

      巻: 131 ページ: 1445-1451

    • DOI

      DOI:10.1248/yakushi.131.1445

    • 査読あり
  • [学会発表] Effect of1,8-Cineole on the Percutaneous Absorption of Lomerizine Dihydrochloride[626]2012

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Furuishi, Yukiko Kato, Toshiro Fukami, Toyofumi Suzuki, Haruhisa Ueda, Kazuo Tomono
    • 学会等名
      The 39th Annual Meeting & Exposition of the Controlled Release Society
    • 発表場所
      Quebec City (Canada).
    • 年月日
      2012-07-16
  • [学会発表] スルファメトキサゾール/トリメトプリム配合剤の投与による血清クレアチニンの上昇とその要因[29amF-359]2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木豊史,宗村盛,高野賢児,島田侯陛,井上真由美,川井龍美,深水啓朗,伴野和夫
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] Blood-Brain Barrier Transport of an Essential Amino Acid after Cerebral Ischemia Reperfusion Injury[P01-01]2011

    • 著者名/発表者名
      Toyofumi Suzuki, Yumiko Miyazaki, Aya Ohmuro, Masaki Watanabe, Takayuki Furuishi, Toshiro Fukami, Kazuo Tomono
    • 学会等名
      The XVth International Symposium of Brain Edema and Cellular Injury (BrainEdema 2011)
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-10-22
  • [学会発表] 血液脳関門におけるレボドパの取り込み輸送に及ぼすパーキンソン病態の影響2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木豊史,山本拓真,大室綾,渡辺雅紀,古石誉之,深水啓朗,伴野和夫
    • 学会等名
      日本薬学会第131年会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2011-03-29
  • [図書] Brain Edema XV2013

    • 著者名/発表者名
      Toyofumi Suzuki, Yumiko Miyazaki, Aya Ohmuro, Masaki Watanabe, Takayuki Furuishi, Toshiro Fukami, Kazuo Tomono, Springer, Brain Edema XV(Acta Neurochirurgica Supplement 118)
    • 総ページ数
      297-302
  • [図書] Nanomedicine and the Cardiovascular System2011

    • 著者名/発表者名
      Toshiro Fukami, Toyofumi Suzuki Ayyalusamy Ramamoorthy and Kazuo Tomono
    • 総ページ数
      263-283
    • 出版者
      Science Publishers
  • [備考] 薬が脳に到達するメカニズムに挑戦

    • URL

      http://www.pha.nihon-u.ac.jp/page.jsp?id=1390

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公開日: 2014-08-29   更新日: 2015-10-20  

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