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2010 年度 実績報告書

薬物トランスポータと転写因子を標的とする抗がん剤耐性克服薬の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22590151
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

鍋倉 智裕  新潟薬科大学, 薬学部, 准教授 (90298993)

キーワード薬学 / 薬剤反応性 / 食品 / 癌 / トランスポータ
研究概要

P-糖タンパク質(MDR1/ABCB1)は2つのATP結合部位を持つ細胞膜12回貫通型の膜蛋白質であり、抗がん剤多剤耐性がん細胞膜から発見された。P-糖タンパク質は構造の異なる様々な抗がん剤(ダウノルビシンやビンブラスチンなど)を細胞外へ能動的に排出し、抗がん剤多剤耐性を引き起こす。P-糖タンパク質は腫瘍組織以外に小腸、腎臓、肝臓、血液脳関門などの正常組織にも発現し、抗がん剤以外のベラパミルやシクロスポリンA等臨床上繁用される多くの医薬品を基質として輸送するため、薬物の体内動態の決定に重要な役割を果たす。P-糖タンパク質の基質薬物であるベラパミルやシクロスポリンなどを用いて抗がん剤排出を阻害し、多剤耐性を克服する試みが行われた。しかし、その薬物自体の持つ薬効・副作用の発現により望ましい成果はあげられていない。そこで、副作用の少ないP-糖タンパク質を阻害する化合物を探索するため、天然物がP-糖タンパク質へ及ぼす影響について詳細な検討を行った。特に、転写因子Nuclear Factor-kappaB(NF-κB)を阻害し、抗腫瘍効果を示すと報告されている天然物のP-糖タンパク質機能への影響について精査した。
ヒトP-糖タンパク質遺伝子導入がん細胞KB/MDR1におけるP-糖タンパク質基質(ダウノルビシンまたはローダミン123)の輸送は、caffeic acid phenetyl ester(CAPE)、リコカルコンA、アナカルド酸、キサントフモール、セラストロール、マグノロール、ホノキオールによって阻害され、その効果は濃度依存的であった。一方、ルペオール、ガノデリン酸、ブテイン、チモキノン、エモジン、アネトールは影響しなかった。従って、一部のNF-κB阻害抗腫瘍活性天然物がP-糖タンパク質による抗がん剤輸送を阻害し、多剤耐性克服に有用である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] P-糖タンパク質機能に及ぼす転写因子NF-kappaB阻害天然物の影響2010

    • 著者名/発表者名
      鍋倉智裕
    • 学会等名
      第25回日本薬物動態学会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ(埼玉県)
    • 年月日
      2010-10-08

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公開日: 2012-07-19  

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