研究課題/領域番号 |
22590162
|
研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
森 信博 広島国際大学, 薬学部, 准教授 (70412351)
|
研究分担者 |
村上 照夫 広島国際大学, 薬学部, 教授 (20136055)
横大路 智治 広島大学, その他の研究科, 助教 (70389120)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 医療薬剤学 / 妊娠 / 異物排出ポンプ / P-gp / Mrp2 |
研究概要 |
本研究は、妊婦や授乳中の女性における安全性の高い薬物療法を実施するための基礎情報を得ることを目的とした。ヒトの尿中にはP-糖タンパク質(P-gp)の基質となる多種多様な内因性物質が排泄される。しかし、妊娠期間中や授乳期間中におけるヒト尿中のP-gpやMRPsの基質となる物質の存在やその濃度についての報告はない。 今回、同意が得られた妊婦から出産、授乳期に至るまでの尿(36検体)の提供を受け、尿中の内因性物質の濃度の経日的な変動や日内変動について検討した。なお、内因性物質の尿中濃度はブタ腎近位尿細管上皮細胞LLC-GA5-COL150におけるrhodamine 123のP-gp介在性輸送およびヒト大腸癌由来のCaco-2細胞におけるcalcein のMRPs-介在性輸送に及ぼす阻害活性により評価した。 その結果、経日的に採取した尿においては、妊娠期間中の早朝尿12検体中2検体で、授乳期間中の3検体中1検体で有意なP-gp阻害活性が認められた。また、1日の朝から夜にかけ経時的に採取した検体でも、早朝または午前中に採取した尿においてP-gp阻害活性が強い傾向が認められた。一方、MRPs-介在性輸送への阻害活性は妊娠および授乳期間中の尿において全く認められなかった。妊娠後期には血中の女性ホルモン濃度が大幅に上昇することが知られている。しかしながら、妊娠期の進行に伴うP-gp阻害活性の変動は特に観察はされず、今回の結果は、既に報告されている男性あるいは非妊娠女性の結果とほぼ大差ないものと考えられた。即ち、妊娠の有無に係らず、早朝のヒト尿には、300 micromol/Lのベラパミルに匹敵するP-gp阻害活性が認められることがあり、P-gp基質の薬物を投与した際に、薬効や副作用が増強される可能性が示唆される(論文投稿中)。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|