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2013 年度 実績報告書

ホルムアルデヒド代替液(ピロリドン水溶液)による臓器保存、組織固定方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22590177
研究機関大分大学

研究代表者

藤倉 義久  大分大学, 医学部, 教授 (10165368)

研究分担者 伊奈 啓輔  大分大学, 医学部, 准教授 (20203193)
北村 裕和  大分大学, 医学部, 助教 (70115559)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワードピロリドン / NVP / プリザーブ / ホルマリン代替液 / 組織固定 / 臓器保存 / 病原微生物不活化
研究概要

ホルムアルデヒド(FA)代替液としてピロリドンを主成分とする水溶液(プリザーブ)でブタ腎臓はじめ種々組織を浸漬固定し、その後重量、色調、弾力性等の変化を調べた結果FA固定より優れていることが明らかになった。また顕微鏡標本作製時の固定液として、組織をパラフィン包埋後HE染色、PAS染色、Azan染色を施した場合、全てでFA固定切片より染色性が優れていた。しかし免疫染色では抗原性の保持が難であった。理由としては分子量がFAは30なのに対しピロリドンは111と大きく、抗原をマスクしている可能性が考えられ、今後の解決すべき課題の一つである。
各種病原微生物の不活化実験に関しては、既に狂犬病ウイルス、大腸菌、枯草菌、黄色ブドウ球菌はピロリドン5%水溶液で不活化されることが明らかになっていたが、平成25年度では簡便法ではあるが真菌に関してピロリドン20%以上で不活化された(5%では増殖)。また、グラム不定桿菌と言われる結核菌はペプチドグリカンよりなる細胞壁の外にミコール酸と言う蝋脂質を持ち、これが非常に高い消毒薬に対する抵抗性を示すが、今回ピロリドン5%水溶液で非定型抗酸菌を不活化できることが明らかになった。
以上の結果を踏まえ、杏林大学、東京医科大学と共同研究を行い、献体されたご遺体にピロリドンを注入し、ご遺体の防腐、長期保存が可能なことが分かった。この結果はFAを用いずに代替液で解剖実習用ご遺体の防腐処置ができることであり、今後汎用されていくことを期待している。
これらは平成25年11月に開催された第31回献体実務者研修会(広島)でシンポジストとして、「ホルマリン代替液開発の基礎的研究」という題名で発表した。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] ホルマリン代替液(N-Vinyl-2-pyrrolidone)注入固定遺体の解剖所見2014

    • 著者名/発表者名
      灰塚嘉典、松村讓兒、高篠智、藤倉義久
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学
    • 年月日
      2014-03-27
  • [学会発表] サージカルトレーニングに適した固定法の検討-Thiel法およびプリザー®の固定法の試み-2014

    • 著者名/発表者名
      河田晋一、小山耕一、林省吾、内藤宗和、曲寧、畑山直之、藤倉義久、伊藤正裕
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学
    • 年月日
      2014-03-27
  • [学会発表] ホルムアルデヒド代替液(プリザーブ)を用いた献体者の固定、保存、解剖所見

    • 著者名/発表者名
      藤倉義久、松村譲兒、雉鼻一郎、松川詠梅、立川修二、北村裕和、伊奈啓輔
    • 学会等名
      第11回日本予防医学会学術集会
    • 発表場所
      日本科学未来館
  • [学会発表] ホルマリン代替液固定遺体の解剖

    • 著者名/発表者名
      灰塚嘉典、松村讓兒、藤倉義久
    • 学会等名
      第101回日本解剖学会関東支部会
    • 発表場所
      昭和大学

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公開日: 2015-05-28  

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