研究概要 |
Epidermal fatty acid binding protein(E-FABP: 上皮型脂肪酸結合タンパク)はパイエル板M細胞内apical側で発現強度が強い。E-FABP単独でこの局在は説明できないのでapical側に局在しE-FABP結合能を持つタンパク質の同定を試みたことを平成23年度報告した。同定されたEndoA cytokeratin, Cytokeratin19, Galectin4は蛍光免疫2重染色でM細胞apical側にEFABPと共存することが確認された。さらにビオチン標識抗原タンパク質取り込み部位で上記のタンパク質とE-FABP発現が特に強化されることが観察され、M細胞の抗原取り込み能に上記3者とE-FABPのapical側での共存関係が相関することが示せた。 M細胞のin vivoモデルであるCaco2細胞への遺伝子導入で上記の所見が再現されるかを試みた。 E-FABPとGalectin4との組合せでのみ両者は単独と異なる細胞内局在を示し、かつ共存した。この培養系に抗原標識直径1㎛蛍光ビーズを加えたところ、観察頻度が少なく今後の追加実験による検証が必要であるが、E-FABP、Galectin4の共存部位に一致してビーズの取り込み像が観察された。 In vivoでの所見と合わせるとE-FABP-Galectin4複合体形成とM細胞の選択的抗原タンパク質取り込み能との相関関係が示せた。
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