研究課題
本研究の目的は、骨髄由来細胞や血球によって制御されることが示唆されている、血管からのリンパ管の分離、あるいは分離状態の維持が、どのような血球によって、またどのような内皮細胞の変化によって成立するのかを明らかにすることである。前年度までのPlcg2遺伝子改変マウスを用いた研究で、巨核球あるいは血小板が血管・リンパ管分離のレギュレーターであることを強く示唆する結果を得たが、巨核球・血小板以外の細胞の関与を否定するには至らなかった。さらに解析を進めるために、細胞の性質を損なわずに不死化を進めることができることが期待される、変異型SV40T抗原を発現する遺伝子導入マウスを用いた培養方法を用いて不死化巨核球を準備し、血管・リンパ管分離のin vitro再構成実験系を構築して分子機構を解析することを試みた。しかし、平成23年度の計画において、条件的不死化細胞の単離のための使用を予定していた遺伝子導入マウスの巨核球では変異型SV40T抗原の発現が認められないことが分かったため、新たな遺伝子導入マウス作出の必要が生じた。そこで、平成24年度において、変異型SV40T抗原をCre/loxP遺伝子組換えでコンディショナルに発現する遺伝子ユニットを構築し、Rosa26遺伝子座に当該遺伝子ユニットをノックインで導入したES細胞株を単離した。生殖系列キメラマウスを経由してヘテロ型マウスを作成し、さらにPlcg2遺伝子変異マウスやCreドライバーマウスとの交配を開始して、Plcg2遺伝子欠損および野生型の不死化巨核球を単離するためのマウスの作出を進めた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS One
巻: 7 ページ: e51639
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The Journal of Biological Chemistry
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