研究課題/領域番号 |
22590195
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
湯川 和典 名城大学, 薬学部, 教授 (20301434)
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研究分担者 |
竹内 典子 名城大学, 薬学部, 助手 (80076728)
吉田 謙二 名城大学, 薬学部, 助教 (80294122)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | セマフォリン / プレキシン / ミクログリア / 脳内炎症 / 精神疾患 |
研究概要 |
軸索ガイダンス分子のセマフォリンは、免疫調節など多彩な機能を発揮する。セマフォリン受容体のPlexin-A1は、ミクログリア細胞膜表面でTrem2およびDAP12アダプターと情報伝達複合体を形成しミクログリア機能を調節する可能性がある。ミクログリアの機能発達におけるセマフォリンの作用を解明するために、生後0~2日齢の野生型とPlexin-A1欠損マウス脳由来の初代培養ミクログリア細胞のリポ多糖(LPS)刺激による活性化を一酸化窒素(NO)産生量で測定するとPlexin-A1欠損ミクログリアの活性化は有意に低値であった。Sema3A等のセマフォリンはLPS刺激によるNO産生を増強したが、Plexin-A1欠損ミクログリアではNO産生は有意に低値であった。さらに、新生児期マウス海馬における活性酸素種定量ではPlexin-A1欠損マウスで有意に低下しており、新生児期海馬ではPlexin-A1/DAP12/TREM2複合体を介する細胞シグナルがミクログリア活性化に関与することを示している。 Plexin-A1欠損マウスの加齢に伴うミクログリア異常活性化のニューロンへの影響については、海馬CA3領域における前シナプスタンパクのsynaptophysin量と視床におけるミエリン塩基性タンパク量の加齢依存性の減少を認めている。この結果は、Plexin-A1欠損マウス脳内で加齢にともないミクログリア過剰活性化による脳内炎症の増強がおこりニューロン変性を引き起こしたことを示す。 行動解析では、プレパルス抑制の破綻に加え、毛繕い行動の亢進はオープンフィールド検査時だけでなくその他の解析時においても常に亢進しているが、恐怖条件付け試験においては記憶の亢進を示した。この結果は、Plexin-A1欠損マウスが自閉症など精神疾患の病態解明から治療法開発のための有用なモデルになることを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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