研究概要 |
心筋におけるPKAリン酸化の標的タンパクを調べる目的で電位依存性Caチャネルβ2サブユニットのリン酸化部位に変異を導入し、変異遺伝子を過剰に発現するマウスモデルを作製した。このマウスモデルにおいては、交感神経刺激による陽性変力作用が減弱していることが判明した(Murakami et al., 現在論文投稿中) ペプチドによるCaチャネル制御を研究する過程で、循環ペプチドであるアドレノメジュリンやアミリンによる制御機構について、総説を発表した。(Kuwasako et al., 2013) 共同研究ではあるが、PKC(protein kinase C)βとαとのヒスタミン脱顆粒における機能およびリン酸化部位の違いを明らかにした(Sakuma et al., 2012) Naチャネルによる交感神経髄質細胞制御機構に関する研究を行い、日本薬理学会等で発表した。(Nemoto et al., 2012, Yanagita et al., 2012) 循環ペプチドであるエンドセリンが電位依存性Naチャネルの発現を制御することにより、脱分極の発生を抑え、カテコールアミン分泌を抑制することを示した。(Nemoto et al., 2012,FEBS letters, in press) 脳内ペプチドであるオレキシンが副腎髄質で産生されていること、カテコールアミン分泌を刺激し、局所の交感神経制御機構を構成している可能性を示した。(Nemoto et al., 2013, Pharmacology, in press)
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