研究課題
最初の2年間の研究により低温培養(低温ストレス:34℃, 31℃, 27℃の条件下)がKv1.5電流を著明に増大させたことが明らかとなった。Western blotting法によってKv1.5チャネルが68 kDのcore-glycosylated protein(小胞体に存在)と75 kDのfully-glycosylated protein(細胞膜に発現・機能)として検出されて、いずれも低温ストレスによって著明に増加した。薬剤で新生タンパク質の合成を止める実験条件下で、低温培養するとcore-glycosylated proteinが顕著に蓄積された。よって低温環境下におけるproteasomeの分解機能の部分的に低下がcore-glycosylated proteinの細胞内蓄積に関わっていることが推測された。一方、proteasome機能抑制は、fully-glycosylated proteinの発現に影響を与えなかったので、電流量の増大にはほかの機序が関与していると推測された。24年度で確認できたことは1)抽出された細胞膜タンパク質が低温ストレスで有意に増加した。2)蔗糖密度勾配法の検討により、Kv1.5のfully-glycosylated proteinは低温培養条件下で細胞膜分画に有意にシフトした。3)Kv1.5膜輸送障害の変異体(I502A, I508A)を用いて検討した。これらの変異体は電流密度が小さく、低温培養によりKv1.5の電流量、細胞膜における局在およびfully-glycosylated proteinの量はいずれも有意に増加した。また低温培養がチャネルタンパク質の糖鎖添加に影響を与えるかどうかについての検討を行い、37℃培養(対照)に較べて低温環境下においてN-glycosylationが効率よく行われたことが観察された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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