研究課題/領域番号 |
22590214
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
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キーワード | シグナル伝達 / エストロゲン / マイクロアレイ / 脳の性分化 / エピジェネテック |
研究概要 |
本研究の目的は、性ホルモン環境によって制御を受ける脳の形態学的雌雄の分化について、周生期に脳の性分化を示すラットの脳を対象に、性ホルモン影響下での遺伝子発現をもとに、その分子機構を解明すること、である。本研究課題について、平成22年度~平成25年度の4年間で、明らかにしたい研究目標を具体的に5点[I]~[V]提示した。 平成23年度に行った内容は、[II-2]:周生期のエストロゲン有無により形態学的性差が形成される、前腹側脳室周囲核(Anteroventral Periventicular Nucleus:AVPV)及び視索前野性的二型核(Sexually Dimorphic Nucleus:SDN-POA)において平成22年度に特定した遺伝子のタンパク質発現を、Western blotting(WB)法にて定量を行ったことである。WB法の結果から示唆されたされたことは、small GTP-binding proteinsのRho familyに属すタンパク質のうち、Cdc42は本領域で発現がみられず、RhoAは発現はあるものの、エストロゲン有無による発現量には差異が無かった。これに対し、Rac1はエストロゲン有無によって顕著なタンパク質発現量に差異を示した。殊に、生後5日目のSDN-POAを含む領域では、エストロゲン存在下で有意な発現上昇が見られた。Rac1については、平成24年度に課せられた問題点の一つとして、その活性定量が未解決となっており、解決法、キットの応用などの準備に着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成22年度、マイクロアレイ法にて遺伝子発現のプロファイリングを行い、平成23年度には、遺伝子発現の定量を行い、平成24年度には、タンパク質発現にまで進行しており、シグナル伝達系の研究としては、段階を踏んだ研究進行であり、従来のアポトーシス説とは異なるエストロゲン機能が提唱される可能性がみえてきている。
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今後の研究の推進方策 |
Rac1について、標的タンパク質と結合するGTP結合型(活性型)を検出するPull-downassayによる定量が成功していない。原因として本法はできるだけフレッシュなタンパク質試料を多量必要とする為である。仔の脳切片タンパク質試料は極めて少ないので、実験回数を増やすことなどで、解決を試みる。
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