生体内のほとんど全ての組織に概日時計が存在するが、末梢組織に存在する概日時計の生理機能はわかっていない。そこで卵巣の概日時計は、LHサージ対する反応性を調節することにより、排卵のタイミング決定に関与するのではないかと考えた。まず、これまでのin vitro 実験で得られていたLHの概日時計の位相を調節する作用がin vivoで再現されることをラットおよびマウスを用いて確認した。次に、卵巣より回収した濾胞細胞を用いて、分子生物学的にこの仮説を検証する実験に取り組んだ。しかし、解析に適した量および質の濾胞細胞の回収が困難であったことから、卵巣濾胞細胞より樹立された株化細胞における解析に切り替えた。
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