研究課題/領域番号 |
22590221
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
神林 康弘 金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
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研究分担者 |
人見 嘉哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (70231545)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
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キーワード | ビタミンC / 酸化ストレス / 抗酸化物質 / 生理学 / 栄養学 / デヒドロアスコルビン酸 |
研究概要 |
ビタミンC代謝と酸化ストレスの関係を調べるために、lipopolysaccharide(LPS)投与による急性炎症モデル、ovoalbumin(OVA)投与によるアレルギー性慢性炎症モデルを用いて、投与前後における組織中ビタミンC量の変化を検討した。 肝臓でビタミンCを生合成する野生型マウスでは、LPS投与後数時間から血中ビタミンC濃度(投与前50~80μM)が急速に増加し、16~20時間後で投与前の3~4倍に達した。肝臓組織中のビタミンC濃度は、LPS投与後16時間で1,000μM/gから1,300μM/gへ増加しており、LPS負荷に対してビタミンC生合成能、あるいは、再生系が亢進したと考えられた。 OVA投与によるアレルギー性慢性炎症モデルでは、OVA腹腔投与による抗原感作期間から血中ビタミンCが増加傾向を示し、OVA吸入投与に、投与前の約2倍に増加した。OVA投与による血中ビタミンC濃度増加の原因を知るために、肝臓におけるビタミンC生合成能を欠失させた遺伝子改変動物を用いてOVA投与実験を行った。その結果、ビタミンC添加水で飼育した遺伝子改変動物でもOVA投与後に、野生型マウスと同様に血中ビタミンC濃度の増加が観察された。従って、アレルギー性慢性炎症では、血中ビタミンC濃度の増加に対して、ビタミンC再生系の亢進、代償性に飲水からのビタミンC摂取量の増加が関与する可能性が示唆された。 以上より、マウスでは酸化ストレスに対して血中ビタミンC濃度が鋭敏に反応すること、血中ビタミンC濃度の維持は遺伝子改変動物でも観察されることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に実施した臓器/組織中のビタミンC酸化代謝産物、デヒドロアスコルビン酸(DHA)定量方法の確立が予想外に難航し、試薬濃度、反応条件の設定に時間を費やしたため、スケジュールより遅れている。本年度は、時間のかかるアレルギー性慢性炎症モデルを作成しており、炎症モデル以外の酸化ストレスに対する実験を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ビタミンC生合成能を欠質する遺伝子改変動物を使用して、野生型マウスとの比較からビタミンC摂取量と酸化ストレスについて検討する。 遺伝子改変動物を2群ないし3群に分け、ビタミンC濃度が0.0375~1.5g/Lの飲水で飼育し、野生型マウスを対照群として各群の動物に酸化ストレスを負荷する。組織中ビタミンCとビタミンC酸化代謝産物、デヒドロアスコルビン酸(DHA)の定量を行い、酸化ストレスに対するビタミンC生合成能と再生系の活性変化を検討する予定である。
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