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2012 年度 実績報告書

環境ストレスによる情動および学習行動の変化と脳内グリア細胞の役割

研究課題

研究課題/領域番号 22590225
研究機関九州大学

研究代表者

片渕 俊彦  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80177401)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード感染ストレス / ミクログリア / 学習記憶 / IL^6 / poly I:C / リポポリサッカライド / βアミロイド蛋白 / プラズマローゲン
研究概要

本研究の目的は、感染ストレスによって惹起された情動や、学習行動への影響のメカニズムを、脳内におけるサイトカインの主たる産生源であるグリア細胞に焦点を当て、グリア細胞と情動や学習行動との関連を行動学的および形態学的に解析することである。
平成24年度においては、環境ストレスモデルとして①ウイルス感染モデルである合成二重鎖RNAのpoly I:C (3 mg/kg)、および②細菌感染モデルであるリポポリサッカライド (LPS, 250 μg/kg)の末梢投与による学習障害について検討した。その結果①前年度ラットへのpoly I:C投与が水迷路学習行動および受動回避学習行動を障害すること、その時海馬においてミクログリアが活性化し、IL-6 mRNAの発現が増強していることを示した。今年度は、poly I:Cによる学習障害へのIL-6の関与を明らかにするため、IL-6の中和抗体を脳室内に前投与すると、poly I:Cによる学習障害が抑制されることを示した。本研究によってpoly I:Cによる学習記憶障害そのメカニズムとして、グリア細胞の活性化によるIL-6の発現増加が明らかになった。②マウスにLPSを7日間連続腹腔内投与すると、海馬でβアミロイド蛋白(Aβ)の沈着、IL-1βとTNF-αのmRNAの発現増強、およびミクログリアの活性化が惹起されることを明らかにした。さらにこれらの反応が、膜脂質の一つであるプラズマローゲン (Pls)末梢投与で完全に抑制されることを明らかにした。Plsはアルツハイマー病患者の脳内で減少していることが知られているが、本研究のLPSモデルにおいても脳内Plsが減少し、Pls投与によってそれが抑制されることを明らかにした。今後Plsのアルツハイマー病予防および治療薬としての可能性を探究する予定である。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of plasmalogens on systemic lipopolysaccharide-induced glial activation and β-amyloid accumulation in adult mice.2012

    • 著者名/発表者名
      Katafuchi, T.
    • 雑誌名

      Ann N.Y. Acad. Sci.

      巻: 1262 ページ: 85-92

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anti-inflammatory/anti-amyloidogenic effects of plasmalogens in lipopolysaccharide-induced neuroinflammation in adult mice.2012

    • 著者名/発表者名
      Ifuku, M.
    • 雑誌名

      J. Neuroinflammation

      巻: 9 ページ: 197

    • DOI

      10.1186/1742-2094-9-197

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dietary plasmalogen increases erythrocyte membrane plasmalogen in rats.2012

    • 著者名/発表者名
      Mawatari, S.
    • 雑誌名

      Lipids Health Dis.

      巻: 11 ページ: 161

    • DOI

      10.1186/1476-511X-161

    • 査読あり
  • [学会発表] 免疫学的疲労モデル動物における脳内炎症機序.2012

    • 著者名/発表者名
      片渕俊彦
    • 学会等名
      第8回日本疲労学会総会・学術集会.
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120602-20120603
  • [備考] 九州大学大学院統合生理学分野

    • URL

      http://www.med.kyushu-u.ac.jp/physiol/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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