研究課題/領域番号 |
22590226
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
向阪 彰 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00458051)
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研究分担者 |
前田 正信 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80181593)
和気 秀文 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50274957)
GOURAUD Sabine 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (30453179)
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キーワード | 循環器・高血圧 / 生体リズム / 血圧日内リズム / 代謝調節 |
研究概要 |
高血圧症における血圧日内リズムの異常は、脳・心血管障害発症の危険因子として知られている。しかしながら、血圧日内リズムの調節とその破たんのメカニズムはよく分かっていない。本研究では、さまざまな生体リズムが摂食リズムの影響を受けることに着目して、本態性高血圧症のモデルラット(SHR)でみられる血圧日内リズムの異常に“摂食リズム異常”が関与しているのではないかという仮説をたてた。この仮説を証明するために、平成22年度は、SHRの血圧および摂食行動の日内リズムの解析を行った。以前から報告されているように、テレメトリー法によって測定したSHRの24時間血圧は、非活動期である明期で十分に下がらず、すなわち血圧日内リズムの異常を示した。興味深いことに、摂食行動についても対照群のラット(WKY)に比して、SHRでは明期の摂食量が増加しており摂食リズムが減弱していることを見出した。さらに平成22年度では、SHRの摂食リズムの異常が摂食中枢に発現する神経ペプチドの発現異常に伴うものであるのかどうかを解析した。神経ペプチドの発現解析は、WKYおよびSHRから4時間毎に採取した視床下部のRNAを用いてリアルタイムPCRで行った。その結果、対照群のWKYで認められた神経ペプチドの発現リズムが、SHRで完全に消失していることを見出した。以上をまとめると、平成22年度の本研究の成果により、SHRが血圧日内リズムの異常のみならず、視床下部の神経ペプチドの発現リズム異常と、おそらくそれが原因と思われる摂食リズム異常をあわせ持つことが分かった。
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