研究概要 |
本研究では、オレキシン2型受容体を発現している脳部位のなかで個体の体重恒常性維持に関わっている部位を同定し、オレキシンが体重を制御する機構を明らかにすることを目指している。 c-FOS陽性細胞数を指標にして、オレキシン2型受容体アゴニストによる体重制御に関与している脳部位を同定する。C57BL/6J(10週齢、雄)マウスを高脂肪食D12451(45%脂肪;Research Diets)を用いて飼育し、オレキシン2型受容体アゴニスト([Ala11, D-Leu15]orexin-B)を2週間持続的に浸透圧ポンプ(mode1 2001;Alzet)とカニューラ(Brain Infustion Kit III ; Alzet)を用いて脳室内に投与(0.5nmol/日)する。2週間後、PBSと4%パラホルムアルデヒドによる灌流固定を行い、取り出した脳を薄切する。脳切片は抗c-FOS抗体(20,000倍希釈、PC-38;Calbiochem)を一次抗体として免疫染色を行った。複数の脳部位において、有意にFOS陽性細胞の増加が見られている。オレキシン細胞欠損マウス(オレキシン-アタキシン3トランスジェニックマウス;金沢大学桜井武教授より譲渡)にも同様の実験を行い、結果を検討している段階である。また、ヒストン脱アセチル化酵素HDACファミリーの発現も検討しており、特定のHDACがオレキシン神経に発現していることを見出している。
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