研究概要 |
オレキシン細胞欠損マウスにオレキシン2型アゴニストを部位特異的投与 オレキシン2型アゴニスト投与を高脂肪食飼育で行った。コントロールとして低脂肪食飼育での検討も行った。野生型に加えて、より強い変化を期待して高脂肪食高カロリー食飼育で肥満することが知られているオレキシン神経欠損マウスを用いた。 オレキシン神経欠損マウス(10週齢、雄)の背側縫線核にカニューラを留置し皮下に埋めた浸透圧ポンプ(model 2001; Alzet)と接続しオレキシン2型受容体アゴニスト([Ala11, D-Leu15]orexin-B)を持続投与した。高脂肪食D12451(45%脂肪;Research Diets)で飼育中2週間の体重と摂餌量を毎日測定した。さらに2週後に視床下部腹内側部を取り出し、RNeasy lipid tissue kit(Qiagen)を用いてトータルRNAを調整し、逆転写後にreal-time PCRを行い摂食関連分子(NPY, AGRP, POMC等)の発現変化を検討した。Real-time PCRはSYBR green PCR master mixとABI Prism 7000(共にApplied Biosystems)を用いて行った。 背側縫線核の亜区域ごとの検討を行い、弓状核との関連の深い部位に特異的に変化が見られた。オレキシン2型アゴニスト投与は弓状核や室房核にも行ったが技術的な問題もあり明確な結論が得られていない。今後はアデノ随伴ウイルスを用いて、背側縫線核におけるオレキシン2型受容体の役割を、個体レベルで証明していく。
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