研究課題
本研究は、GPCRの一つGHRHR、及びそのシグナル伝達複合体が細胞表面に局在する分子機構について種々の方法を利用して解析を行う。GHRHRとタンパク質Aとの相互作用の詳細な検討A.インビトロ結合実験:GHRHRのカルボキシ末端細胞質ドメインのアミノ酸配列をGST融合タンパク質として、またタンパク質Aの全長をマルトース結合タンパク質(MBP)との融合タンパク質として大腸菌を用いて発現・精製した。これらを用いてインビトロにて結合実験を行った。すなわち各融合タンパク質を混合した後、グルタチオン架橋担体にてGST融合タンパク質を沈降し、MBP融合タンパク質の共沈の有無をウエスタンブロット法にて確認した。さらにタンパク質Aのどの部分がGHRH受容体との結合に必須であるかを検討するために、タンパク質Aのアミノ末端側あるいはカルボキシ末端側のみを持つPICK1変異体を作成し、インビトロ結合実験を行った。GHRH受容体との結合には、タンパク質AのN末端が必須であることが明らかとなった。B.免疫沈降実験:Aで確認されたGHRHRとタンパク質Aの相互作用が生体内においても起きていることをラット脳抽出液を用い、GHRHRに対する特異的抗体を使用して免疫沈降を行った。その後、この免疫沈降物にタンパク質Aことを、抗タンパク質A抗体を用いるウエスタンブロット法にて検証し、GHRHRとタンパク質Aの相互作用が生体内においても起きていることを確認した。C.GHRHRとタンパク質A両者を発現する細胞系の作製:GHRHR発現細胞及びその細胞にタンパク質Aをさらに発現させた細胞を樹立するために、それぞれのcDNAを組み込んだレンチウィルスベクターを作製し、Chinese Hamster Ovary細胞(CHO-K1)にこれらのウィルスを感染させた。感染後、導入した遺伝子の発現確認をRT-PCRおよびそれぞれのタンパク質に対する特異抗体を用いるWestern blotにより確認した。
すべて 2010
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Neurosci Res.
巻: 67 ページ: 126-136