研究課題/領域番号 |
22590235
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
石井 邦明 山形大学, 医学部, 教授 (10184459)
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研究分担者 |
山崎 良彦 山形大学, 医学部, 准教授 (10361247)
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キーワード | 受容体 / チャネル / エンドサイトーシス / シグナル情報伝達系 / 電位依存性Kチャネル |
研究概要 |
ヒト心室筋活動電位の再分極に重要な役割を演じているI_<Ks>チャネル(Q1/E1チャネル)がGq蛋白共役型受容体(GqPCR)であるアンジオテンシン受容体1型(AT_1受容体)およびα_<1A>受容体の活性化によってエンドサイトーシスされることを昨年度明らかにした。本年度は、その細胞内情報伝達機構ならびにエンドサイトーシスに関与するチャネル内領域を同定するための検討、さらに組織レベルでエンドサイトーシスを観察するための予備的検討を行った。 1. Q1蛋白の変異体を作製して検討したところ、AT_1受容体刺激によるQ1蛋白のエンドサイトーシスには、Q1蛋白のC末端領域に存在するPKCリン酸化部位が必要であることが明らかになった。C末端領域には5つのPKC部位が存在するが、そのなかのどの部位が必要なのか全て必要なのかについては検討の途中である。また、AT_1受容体刺激によるQ1蛋白のエンドサイトーシスはダイナミン依存性であることが明らかになった。 2. 同様な検討を加えたところ、α1A受容体刺激によるQ1蛋白のエンドサイトーシスは、PKC阻害剤で抑制されたが、C末端領域のPKCリン酸化部位が必須ではなかった。また、ダイナミン依存性も認められなかった。エンドサイトーシスに関しては、ビオチン化法を用いた細胞膜表面蛋白の標識による検討も行った。 3. pH感受性の緑色蛍光蛋白pHluorinをQ1蛋白の細胞外領域に付加した変異体を作製した。それを用い、AT_1受容体刺激およびα_<1A>受容体刺激によるQ1蛋白のエンドサイトーシスに際して、pHluorinの蛍光量が変化するかどうかをHEK細胞で検討したところ、大きなものではないが、蛍光量の変化が観察された。組織レベルでの検討に使用できるかどうかが今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Gq蛋白共役型受容体(GqPCR)刺激によってQ1がエンドサイトーシスされること、およびその情報伝達機構についてのある程度の結論を得ることが出来た。受容体間でみられた情報伝達機構の違い、ならびに組織レベルでの検討が平成24年度の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
特に研究計画の変更は必要ないと思われる。今後は、細胞内情報伝達機構の解明のために、他の受容体を用いた検討も加え、これまでに得られている結果との比較を行う。また、組織レベルでのエンドサイトーシスの観察に関しては、現在みられている蛍光量の変化で十分かどうかを検討する必要がある。そのために、組織での検討に進む前に、卵母細胞などを用いて、蛍光顕微鏡による細胞膜表面の蛍光変化の観察も行う予定である。
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