研究課題/領域番号 |
22590240
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
岡垣 壮 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (80185412)
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研究分担者 |
中村 彰男 群馬大学, 医学研究科, 講師 (30282388)
大井 淳史 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (70203693)
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キーワード | 薬理学 / 遺伝子 / 蛋白質 / 細胞・組織 / シグナル伝達 |
研究概要 |
平成22年度はスクリーニングした遺伝子について以下のような実験をおこなった。 (1)スクリーニングした遺伝子を大腸菌で発現するため、plastin-T,およびeukaryotic elongation factor betaをpET21dに挿入した。またrho GTPase 3はpGEX6.1に挿入した。今後これらの発現タンパク質を精製し、アクチン線維との結合実験を行う。さらに発現タンパク質をNHS-agaroseに固定して、これを平滑筋細胞抽出液と混合するpull downアッセイにより、これらの遺伝子産物に対する細胞内のターゲットタンパク質を単離する実験をおこなう。 (2)平滑筋細胞の形質変換に影響を及ぼす可能性のあるDIF化合物(DIF-1およびDIF-3)をラット大動脈平滑筋の初代培養系に添加し、形質変換の時間変化について解析する方法について検討した。通常の10%血清にさらにDIF化合物を培養液に添加して培養すると、平滑筋マーカータンパク質であるαアクチンおよびカルポニンの発現量が増加した。培養液からDIF化合物を取り除くとこれらの遺伝子の発現レベルが元に戻り、DIF化合物の作用に可逆性があることが確認された。また細胞の増殖速度および細胞の形態の観察により、DIF化合物が血清存在下での試験管内培養において収縮型→合成型への形質変換を抑制する可能性が示唆された。このことから適切な濃度のDIF化合物存在下では平滑筋細胞が正常な収縮型の状態を維持することが可能になり、種々の実験に適用できることが期待される。一方p53遺伝子ノックアウトマウス大動脈由来のAC01細胞でも同様にDIF化合物の作用を調べたが、より低い濃度で細胞毒性が見られた。
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