研究課題/領域番号 |
22590240
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
岡垣 壮 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (80185412)
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研究分担者 |
大井 淳史 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (70203693)
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キーワード | 薬理学 / 遺伝子 / タンパク質 / シグナル伝達 / 細胞・組織 / 血管 |
研究概要 |
本研究はすでにスクリーニングした血管平滑筋の収縮型あるいは合成型細胞特異的な遺伝子を手がかりにして、それらと相互作用する因子を同定することを目標としている。 本年度はこれらのうちT-plastin、rho-E、eEFβについて、RT-PCRによって全長のcDNAを得て、大腸菌発現用のプラスミドを構築した。すでに大腸菌で発現タンパク質が得られるようになっている。現在この発現タンパク質を固定したビーズを作成し、pull downアッセイのための準備をしているところである。 RNA干渉の予備実験として培養平滑筋細胞内AC01においてT-plastinの挙動についての解析をおこなった。ウェスタンブロット、リアルタイムPCRを用いた解析によると、T-plastinの発現量は無血清状態で培地にPDGFを添加すると時間とともに発現量が低下した。また培地にTGF-βを添加するとT-plastinの発現量が時間とともに増加した。同じ細胞で平滑筋のマーカータンパク質であるα-アクチン、高分子量カルデスモンも同様にPDGFの添加により発現量が増加、一方TGF-βの添加により発現が低下した。このことからT-plastinが平滑筋の分化マーカーとなる可能性が示唆された。間接蛍光抗体法による観察によると、T-plastinは細胞内でαアクチンと共局在することが確認された。T-plastinはアクチン線維を束化するタンパク質であるが、それ以外の生理活性がないかについても検討をはじめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RT-PCRおよび発現用プラスミドの構築にトラブルがあったため時間がかかり、予定していた実験すべてを完了することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ノルアドレナリン、ヒスタミンなどのアゴニストを血管平滑筋細胞に加えた時の細胞内の反応を調べるために、ミオシンの調節軽鎖のリン酸化をglycerol-PAGEで定量する実験もおこなったが、再現性に乏しく今後実験方法の改良が必要であることがわかった。最近開発されたMn^<2+>-Phos-tagをSDS-PAGEのゲルに添加する方法がリン酸化ポリペプチドの分離に有効ではないかと考えられる。
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