研究課題/領域番号 |
22590241
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
土屋 浩一郎 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70301314)
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研究分担者 |
冨田 修平 鳥取大学, 医学部, 教授 (00263898)
石澤 啓介 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60398013)
濱野 修一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60530392)
玉置 俊晃 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80179879)
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研究期間 (年度) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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キーワード | 亜硝酸塩 / 一酸化窒素 / 代謝 / 腎保護作用 / 耐糖能 |
研究概要 |
これまでの研究により、亜硝酸塩のみならず硝酸塩を約1年間に渡り投与した正常マウス(C57BL/6)の血糖値において、加齢に伴う耐糖能の低下が改善される効果が見出された。さらに、糖尿病性腎症時の腎臓ではメサンギウム細胞の増殖、糸球体の肥大等が観察されるため、細胞増殖の制御に関与しているAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)に与える影響について検討したところ、腎糸球体内皮細胞(HGEC)を用いた実験で、亜硝酸塩は濃度依存的にAMPKリン酸化を促進し、その下流に位置するACCのリン酸化も促進したことから、平成24年度は腎糸球体内皮細胞を用い、細胞内情報伝達系の詳細な検討を行った。 亜硝酸塩による腎保護作用はこれまでの報告によると、亜硝酸塩がキサンチンオキシダーゼ等の還元酵素により還元を受けて生じたNOが(細胞)保護効果を示すと考えられている。しかしながら、上記AMPKやACCのリン酸化はNO消去剤であるcarboxy-PTIO存在下でも進行したこと、さらにAMPK活性化によるeNOS活性化が知られている事から亜硝酸塩によるeNOSリン酸化を測定したところ、亜硝酸はeNOSをリン酸化し、この作用はAMPKの阻害剤であるBML275によって抑制されることを見いだした。 さらに、この亜硝酸塩によるeNOSシグナルの活性化は、HGECのみならず肝細胞においても観察された。また、高脂肪食を与えたWistar系ラットに亜硝酸塩を60日間投与したところ、耐糖能の改善および血中中性脂肪の低下が認められた。 以上の結果から、亜硝酸塩は還元によるNO生成のみならず、亜硝酸塩そのものがAMPKを活性化し、更にeNOS活性化やACCリン酸化を起こし、血管拡張・腎保護作用および糖脂質代謝を改善する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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