研究概要 |
TNNI3K は心筋に特異的に発現し、心筋トロトポニンI (学名TNNI3、略称:cTnI)と相互作用する 新規MAP キナーゼである。本研究はcTnIの生理機能に対するTNNI3K の修飾機序および病理学的意義を検討すると共に虚血性心疾患の新しい分子機序の解明と、それを用いた新たな治療戦略の開発を目的とする。 本年度には、in vivo 実験で本研究室で開発したin vivoエレクトロポレーション遺伝子導入法を用いてC57BL6マウス心臓局所持続的に亢進させるTNNI3K (S835A,S836A)を導入および高発現をして、マウスモデルの心筋細胞や心拍動状況を観察し、変異遺伝子を導入した実験群は対照実験群に比べて不整脈の発生頻度を検討し、TNNI3K遺伝子変異した後、マウス心臓の不整脈発生率が増加されることの病理学的意義とそれに関する機序を明らかに解明した。我々の結果より、TNNI3K変異遺伝子(S835-836A)を導入した後モデルはマウスの二段脈、三連発、心室性頻脈などを含む不整脈モデルが再現できるので、有効な不整脈の発生機序や治療効果の評判について、よいモデルであると示唆される[Lai ZF, Chen YZ, ら: Resuscitation Science Symposium (ReSS) AHA 2012 (Los Angeles, CA). Nov.3-6, 2012.]。TNNI3K 変異が不整脈の発生率を上昇する結果およびそれに関与する機序の解明は、不整脈の新たな治療戦略を提案するが可能になるものと期待できる。
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