研究概要 |
当研究ではテトラヒドロビオプテリン(BH4)生合成および再還元酵素遺伝子の変異マウスと培養細胞を用いて、神経・精神疾患および循環器疾患の発症とBH4欠損の関連を明らかにする。 (1) P(Postnatal)0,P7,P14,P28におけるPts-KO/DPSマウス(BH4部分欠損マウス)脳ホモジネートについて、ビオプテリン・モノアミンおよびアミノ酸の定量を行い、THタンパク質量の生後発達にともなう変化を調べた。Pts-KO/DPSマウスのビオプテリン量はPOの時点で野生型の36%で、以後も増加しなかった。THのタンパク質量は野生型では生後経時的に増加するのに対し、Pts-KO/DPSマウスでは増加せずP28では野生型の29%であった。 (2) Pts-KO/DPSマウスにBH4およびL-DOPAを腹腔内投与し、脳ホモジネート中のTHタンパク質量の変化をウエスタンブロッティングで解析している。THのタンパク質量が有意に増加する条件はまだ確定していない。 (3) 野生型マウスの大動脈リング標本を用いて、アセチルコリン添加による張力の測定系を確立した。今後例数を増やし、DHPR-KO(BH4再還元酵素欠損)およびPts-KO/DPSマウスの血管張力測定を進める予定である。
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