肝脂質蓄積に関与する新たなシグナル因子の機能解析-脂肪肝原因因子としての評価-

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22590253
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 薬理学一般
• 研究機関: 福岡大学
• 研究代表者: 松末 公彦 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10389364)
• 連携研究者: 瀧口 総一 独立行政法人国立病院機構, 九州がんセン ター臨床研究部, 室長 (00280793)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: 転写

研究概要

HepaticPPARγ-Dependent1(hpd1)遺伝子は、ob/obマウスの脂肪肝に高発現している遺伝子として我々によって単離された機能未知遺伝子である。本遺伝子は、正常肝臓では低レベルであり、PPARgammaがノックアウトマウスされたob/obマウスの脂肪肝にいてはその発現が低下するため、PPARgammaによって発現制御されていることが推測される。本研究においては、hpd1遺伝子のプロモーター領域にPPARgamma結合領域を見出した。Hpd1遺伝子の発現調節は、その領域にPPARgammaが直接結合することで制御されていることを明らかにした。また、hpd1遺伝子の脂肪肝以外の発現組織として、本遺伝子は白色及び褐色脂肪組織に高発現が認められた。さらに、hpd1タンパク細胞内局在として、本タンパクは3T3-L1脂肪細胞のミクロソーム画分に局在していることを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] A Physiological Role for Hepatic PPARγ-fsp27 Signal (2012)
  • 著者名/発表者名: Matsusue, K. A Novel Mechanism for Hepatic Lipid Accumulation
  • 雑誌名: Yakugaku Zasshi 巻: 132 ページ: 823-829
  • DOI: DOI.10.1248/yakushi.132.823
• [雑誌論文] Hepatic peroxisome proliferator-activatedreceptor-fat-specific protein 27 pathway contributes to obesity-related hypertension via afferent vagal signals. (2011)
  • 著者名/発表者名: K Uno, T Yamada, Y Ishigaki, J Imai, Y Hasegawa, J Gao, K Kaneko, K Matsusue, T Yamazaki, Y Oka, and H Katagiri.
  • 雑誌名: European Heart Journal 巻: 33 ページ: 1279-1289
  • DOI: DOI:10.1093/eurheartj/ehr265
  • 査読あり
• [雑誌論文] A physiological role for fat specific protein 27/cell death-inducingDFF45-like effector C in adipose and liver. (2010)
  • 著者名/発表者名: Matsusue, K
  • 雑誌名: Biol Pharm Bull 巻: 33 ページ: 346-350
  • DOI: DOI:10.1248/bpb.33.346.
  • 査読あり
• [学会発表] 機能未知遺伝子liver PPARγ-dependentgene1に対するshRNA 発現ベクターの作製及び発現抑制効果の評価 (2013)
  • 著者名/発表者名: 藍原大甫、松末公彦、瀧口総一、山野茂
  • 学会等名: 第133年会日本薬学会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2013-03-28
• [学会発表] 3T3-L1 成熟脂肪細胞において誘導される機能未知遺伝子liver PPARγ-dependent gene 1 の shRNA を用いた ノックダウン法の検討. (2012)
  • 著者名/発表者名: 藍原大甫,松末公彦,瀧口総一,山野茂
  • 学会等名: 第29回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2012-12-08
• [学会発表] 3T3-L1細胞におけるliver PPARγ-dependent gene 1 の機能解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 藍原大甫,松末公彦,瀧口総一,山野茂
  • 学会等名: 第132年会日本薬学会
  • 発表場所: 北海道
  • 年月日: 2012-03-29
• [学会発表] チアゾリジン化合物により誘導されるliver PPAR γ-dependent gene 1 の機能解析. (2011)
  • 著者名/発表者名: 藍原大甫,松末公彦,瀧口総一,山野茂
  • 学会等名: 第28回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2011-12-10
• [学会発表] 脂肪肝に誘導される機能未知遺伝子 liverPPARγ-dependent gene 2 の発現プロファイル解析. (2011)
  • 著者名/発表者名: 益崎優祐,松末公彦,藍原大甫,瀧口総一,and山野茂
  • 学会等名: 第28回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2011-12-10
• [学会発表] 肝臓の脂質蓄積における新たな制御メカニズムに関する研究 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松末公彦
  • 学会等名: In第28回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2011-12-10
• [学会発表] 脂肪肝に誘導される機能未知遺伝子liver PPAR γ-dependent gene 3 の発現プロファイル解 析. (2011)
  • 著者名/発表者名: 末吉加津美,松末公彦,藍原大甫,瀧口総一,山野茂
  • 学会等名: 第28回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2011-12-10
• [学会発表] 肝脂質蓄積の分子メカニズム (2011)
  • 著者名/発表者名: 松末公彦
  • 学会等名: In日本薬学会年会131回
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 2011-03-31
• [学会発表] 異なる脂肪肝モデルにおけるPPARγ新規標的遺伝子の発現解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 藍原大甫,松末公彦,瀧口総一,山野茂
  • 学会等名: In日本薬学会年会131回
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 2011-03-28
• [学会発表] 成因の異なる脂肪肝におけるPPARγ新規標的遺伝子の発現プロファイル解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 藍原大甫,松末公彦,瀧口総一,山野茂
  • 学会等名: 第27回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 長崎
  • 年月日: 2010-12-11
• [学会発表] 肺癌骨転移へのCXCL14/BRAK1の関与 (2010)
  • 著者名/発表者名: 瀧口総一,井上和子,是永夏樹,杉枝里香,片岡泰文,松末公彦,李銀姫,久木田敏夫,井口東郎
  • 学会等名: In第69回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2010-09-22