研究課題
・ChIP-sequenceによるAd4BP/SF-1の標的遺伝子の同定精巣からパーコール密度勾配遠心法で調製したライディッヒ細胞を用い、ChIP-seqによりAd4BP/SF-1の標的遺伝子の網羅的な同定を行った。その結果、Ad4BP/SF-1遺伝子が標的遺伝子のひとつとして同定され、Ad4BP/SF-1によるオートレギュレーションが示された。さらに興味深いことに、解糖系、コレステロール合成等のエネルギー代謝に関連する一連の遺伝子群をAd4BP/SF-1の標的遺伝子として同定した。組織特異的な発現を示す転写因子であるAd4BP/SF-1が、ハウスキーピングなエネルギー代謝遺伝子を制御しているという事実は、組織特異的なエネルギー代謝制御の分子機構を示唆するものであった。・Ad4BP/SF-1によるエネルギー代謝制御を通じた細胞増殖制御これまでの研究からAd4BP/SF-1は細胞増殖を亢進させることが知られているが、その分子機構は不明である。Ad4BP/SF-1が細胞内のエネルギー代謝の活性化を通じて細胞増殖の亢進に働くという仮説を、著しい細胞増殖能を示す副腎皮質腫瘍由来の細胞株で検証した。その結果、①Ad4BP/SF-1のノックダウンにより、細胞増殖が顕著に低下すること、②また、グルコース代謝能が著しく低下すること、③グルコース代謝阻害剤は細胞増殖を低下させるが、Ad4BP/SF-1ノックダウンにより低下した細胞増殖は、グルコース代謝阻害剤の影響を受けないことが示された。以上の結果から、Ad4BP/SF-1はグルコース代謝制御を通じて、細胞増殖の調節を行っていることが示された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.med.kyushu-u.ac.jp/seisaseibutu/