研究概要 |
1、ZNF131(Zbtb35)欠失マウスの解析;LckCreおよびMxCreマウスとの交配により、ZNF131(Zbtb35)が、胸腺に定着する前のT前駆細胞では重要でないが、胸腺にはいると同時に必須となり、DNの各分化段階で重要であることが示されGATA3欠失と表現型が一致した。ZNF131(Zbtb35)はGATA3結合分子として同定したが、機能的にもGATA3と共役していることが証明された。DP以降ではGATA3の機能と全く異なり、T細胞受容体シグナルと増殖制御系をつなぐ機能を持ち、GATA3から解離して機能することが示唆された。 2、Rcor1欠失マウスの解析;In vitro系においてTreg分化に重要であることが示されたが、さらに個体レベルにおいてもTregが関与する自己免疫疾患モデルを用いて、Rcor1がiTreg誘導に重要であることが示された。過剰発現やノックダウンをおこなうことで、Rcor1欠失とfoxp3発現の関係について、細胞レベルでの解析を進めるための準備を整えた。 3、GATA3欠失マウスの解析;これまで報告されているT細胞特異的GATA3欠失マウスと同様の表現型を示したが、それに加えて、DP細胞の末梢での増大と、皮膚、特に手、足、耳、鼻など露出部分および眼球に炎症性細胞浸潤をともなう病態を示した。自己抗原の同定、原因となる細胞群の同定など発症機序の解明を進めている。 4、DNA脱メチル化の解析;DNA脱メチル化によるサイトカイン遺伝子発現制御に関して、最近報告されているDNA脱メチル化酵素候補遺伝子(TDG, Tet1-3, MBD4など)をT細胞においてノックダウンし解析を進めている。TDGをノックダウンすることで、IFNg産生への影響を認めた。これがDNA脱メチル化の変化によるのか、現在検討中である。
|